日本地下石油備蓄

日本地下石油備蓄株式会社について

日本地下石油備蓄株式会社（Japan Underground Oil Storage Co., Ltd.）は、国家石油備蓄基地の操業・保守管理を専門とする企業です。本社を東京都港区に構え、日本各地の国家石油備蓄基地の運営を担っています。特に、地下方式での石油備蓄を日本で初めて実現した企業として知られています。

主な事業内容

同社は、以下の国家石油備蓄基地の操業・保守管理を受託しています。

久慈事業所（久慈国家石油備蓄基地）
所在地：〒028-0001 岩手県久慈市夏井町閉伊口第8地割105番地2
備蓄容量：地下岩盤タンク 175万kl（35万kl×1ユニット、70万kl×2ユニット）
貯蔵開始：1993年10月
菊間事業所（菊間国家石油備蓄基地）
所在地：〒799-2302 愛媛県今治市菊間町種4642番地1
備蓄容量：地下岩盤タンク 175万kl（59.4万kl、74.5万kl、2.5万klの合計）
貯蔵開始：1994年4月
備考：太陽石油四国事業所に隣接しており、港湾施設を共有
串木野事業所（串木野国家石油備蓄基地）
所在地：〒896-0046 鹿児島県いちき串木野市西薩町1番地
備蓄容量：地下岩盤タンク 175万kl（35万kl×1ユニット、70万kl×2ユニット）
貯蔵開始：1993年1月

これらの基地では、地下の岩盤をくり抜いて作られた巨大なタンクに石油が貯蔵されています。地下タンクは、地上タンクに比べて安全性が高く、環境への影響も少ないとされています。

その他の国家石油備蓄基地

同社は、以下の国家石油備蓄基地の運営にも関わっています。

苫小牧東部国家石油備蓄基地
むつ小川原国家石油備蓄基地
秋田国家石油備蓄基地
福井国家石油備蓄基地
白島国家石油備蓄基地
上五島国家石油備蓄基地
志布志国家石油備蓄基地

これらの基地は、日本のエネルギー安全保障において重要な役割を果たしています。

沿革

同社の歴史は以下の通りです。

1986年5月：国家石油備蓄会社として、日本地下石油備蓄株式会社設立。
1992年12月：串木野基地部分完成（全面完成は1994年5月）。
1993年9月：久慈基地完成。
1994年3月：菊間基地完成。
2004年1月：資本金を100億円から2億円に減資。
2004年2月：国家備蓄事業の国直轄事業化にあわせ、民営化。
2011年3月：東日本大震災により、久慈基地が被災。地上施設はほぼ全壊したが、地下の備蓄タンクに損傷はなく、従業員の人的被害もなかった。

株主構成

同社の主な株主は以下の通りです。

太陽石油：36%
ENEOS：21.8%
出光興産：15%
DOWAホールディングス、住友金属鉱山、三井金属鉱業、三菱マテリアル：各6.8%

これらの株主構成からも、同社が日本のエネルギー産業において重要な位置を占めていることがわかります。

まとめ

日本地下石油備蓄株式会社は、日本のエネルギー安全保障を支える重要な企業です。地下方式での石油備蓄という革新的な技術を導入し、その運営・保守管理を通じて、日本の安定的なエネルギー供給に貢献しています。東日本大震災のような災害時にも、その備蓄能力の高さと安全性が実証されており、今後もその役割はますます重要になると考えられます。

外部リンク

日本地下石油備蓄株式会社

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