日本基督教団聖霊刷新協議会

日本基督教団聖霊刷新協議会（にほんきりすときょうだん せいれいさっしんきょうぎかい）

日本基督教団聖霊刷新協議会は、1998年2月に正式に発足した、日本基督教団に属する組織です。この協議会は、日本基督教団という広範なキリスト教団体の枠組みの中で、ペンテコステ派、聖霊派、そしてカリスマ運動といった聖霊の働きを重視する信仰的潮流の間の連携を深め、その活動を教団内に広く推進していくことを主な目的として掲げています。この協議会は、教団内部における信仰的、神学的な多様性を示す一つの重要な存在と言えるでしょう。

協議会結成の中心となり、その代表を務めているのは、日本基督教団高砂教会の牧師である手束正昭氏です。彼のリーダーシップのもと、協議会は聖霊刷新運動に関心を持つ牧師や信徒たちの交わりを育み、共に活動を展開しています。

聖霊刷新協議会がその神学的な基盤とする聖霊刷新運動、特にカリスマ運動は、20世紀後半に顕著になったキリスト教内の動きです。この運動は、特定の教派や伝統にとどまらず、米国聖公会の司祭であるデニス・ベネットの経験をきっかけに、プロテスタント教会からローマ・カトリック教会を含むエキュメニカルな（教会一致を目指す）潮流の中にまで広がっていきました。日本基督教団聖霊刷新協議会もまた、このような歴史的、神学的な流れの中に位置づけられています。聖霊の力強い働きや霊的な賜物（カリスマ）の現れを重視するこの運動の精神を、教団内で共有し、実践していくことを目指しています。

この協議会に関連する教会において、将来牧師として献身しようとする神学生たちの間には、特徴的な伝道者養成のルートを選ぶ傾向が見られます。日本基督教団には、教団が認可・指定する複数の神学校が存在し、多くの神学生はこれらの神学校で正規の神学教育を受けます。しかし、聖霊刷新協議会系の教会を目指す神学生の多くは、これらの教団認可神学校ではなく、関西聖書学院など、教団外の聖書学校や研修機関で学ぶことを選択する傾向にあります。これらの学び舎は、独自のカリキュラムや神学的視点を持っており、聖霊派・カリスマ運動の立場に立った教育が行われていると考えられます。

教団外での学びを終えた後、彼らが日本基督教団の正教師（牧師）となるためには、教団が実施する教師試験に合格する必要があります。これらの神学生は、正規の教団認可神学校課程を経ていないため、主にCコースと呼ばれる試験ルートを選択します。Cコースは、特定の神学校を卒業していない者や、独学などで神学を学んだ者を対象とした、資格取得のための補完的な学習や試験制度です。このCコースを通じて教師試験を受験する傾向があることは、聖霊刷新協議会系の伝道者たちが、従来の教団内の養成システムとは異なる独自の道筋を辿っていることを示しており、彼らの背景にある神学的なスタンスや教会論が反映されていると言えるでしょう。

日本基督教団は、合同教会として多様な神学的背景や伝統を持つ教会を内包しています。聖霊刷新協議会は、その多様性の中にあって、聖霊刷新運動、ペンテコステ派、聖霊派、カリスマ運動といった信仰的特質を明確に持ち、それらの協力と推進を通じて、教団内の信仰生活や伝道活動に新たな視点や活力を加えていくことを目指している組織であると言えます。彼らの活動は、日本基督教団における聖霊論の実践的な側面を考える上で、重要な一角を占めています。

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