日本女声合唱団

日本女声合唱団は、日本のプロの女声合唱団として、その美しいハーモニーで多くの人々を魅了しました。その歴史は、1954年に三宅洋一郎によって設立された「フェリス女声合唱団」に遡ります。フェリス女学院短期大学の卒業生を中心に構成されたこの合唱団は、日本初のプロ女声合唱団として、その名を音楽史に刻みました。

1956年には第1回演奏会を開催し、その活動を本格化させました。指揮者には創設者の三宅洋一郎の他に、北村協一、宇野功芳らが名を連ね、ピアニストには三浦洋一が参加するなど、才能豊かな音楽家たちが集結していました。彼らの情熱と才能が融合し、日本女声合唱団は、数々の素晴らしい演奏を生み出してきました。

放送出演やレコーディングも積極的に行い、その美しい歌声は広く届けられました。特に、中田喜直や高田三郎など、日本を代表する作曲家による女声合唱作品を数多く初演し、日本の合唱音楽の発展に大きく貢献しました。

しかし、1994年に創設者である三宅洋一郎が逝去したことを受け、惜しまれつつも解散しました。その活動期間は決して長くはありませんでしたが、日本の合唱界に与えた影響は計り知れません。

主なCDとしては、宇野功芳が指揮したコンサートの模様を収録した「宇野功芳幻のコンサート」（1985年）、「幻のコンサート ふたたび」（1989年）や、「心の四季～功芳の女声合唱」（1994年）などがあります。また、岸信介をテーマにした「岸信介の世界～萩原英彦作品集」（1995年）もリリースされており、その多彩なレパートリーを知ることができます。

主な初演作品としては、フェリス女声合唱団時代のものも含め、入野義朗の「三つの女声合唱」などが挙げられます。これらの作品は、日本女声合唱団の音楽的な幅広さと、新しい音楽への挑戦を物語っています。

日本女声合唱団は、その短い活動期間の中で、日本の合唱音楽の発展に大きく貢献し、多くの人々に感動を与えました。その美しいハーモニーは、今もなお人々の心に響き続けています。

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