萩原英彦

萩原英彦は、1933年3月30日に東京都で生まれ、2001年10月16日に亡くなった日本の作曲家です。武蔵野音楽大学作曲科の教授を務め、後進の指導にもあたりました。

1947年より、作曲家の團伊玖磨に師事し、和声法と作曲法を学びました。その後、東京芸術大学音楽学部作曲科に進学し、1956年に卒業しました。大学では、作曲を池内友次郎に、ピアノを永井進に師事し、音楽家としての基礎を築きました。

萩原は、特に合唱の分野で多くの作品を発表しました。代表作には、「光る砂漠」「白い木馬」「抒情三章」などがあります。これらの作品は、演奏しやすい音楽であり、調性感のある保守的な作風が特徴です。彼の音楽は、破綻がなく、親しみやすいメロディーが多くの人に愛されています。

また、萩原は、フランス音楽の校訂者としても知られています。特に、フォーレの「レクイエム」をはじめとする、フランスのピアノ曲、歌曲、合唱曲の校訂に尽力しました。これらの校訂を通じて、フランス音楽の普及に貢献しました。

以下に、萩原英彦の主要な作品をジャンル別に示します。

ピアノ作品

組曲「風の旅」（ピアノ連弾）
都会のうた（ピアノ連弾）
エテュード・アルモニーク（ピアノ）
ピアノのための五つの小品

歌曲

やがて秋（立原道造）
或る風に寄せて（立原道造）

合唱作品

混声（女声）合唱組曲「光る砂漠」（1971/矢沢宰）
混声（女声）合唱組曲「白い木馬」（1974/ブッシュ孝子）
混声合唱組曲「深き淵より」（1979/ゆきやなぎれい）
混声合唱組曲「動物たちのコラール第1集」（1980/カルメン・ベルノス・デ・ガストルド詩、宮沢邦子訳）
混声合唱組曲「動物たちのコラール第2集」(1982/C.B.ガストルド/訳:宮澤邦子)
混声合唱組曲「動物たちのコラール第3集」(C.B.ガストルド/訳:宮澤邦子)
男声合唱組曲「動物たちのコラール第4集」(C.B.ガストルド/訳:宮澤邦子)
合唱とピアノのための「花さまざま」（1979/82/細川宏）
十五の小品集（女声合唱）(1972-1975)
四つの小品（女声／混声合唱；周郷博、矢沢宰）
抒情三章（女声合唱；1957/三好達治、中原中也、立原道造）
新抒情三章（女声合唱；1983-1984/両画享子）
12のこどものうた（女声合唱）
周郷博の詩による五つの女声合唱曲「春風のうた」(1987)
混声合唱組曲「星の生まれる夜」（橋爪文）
男声合唱のための「雨のやみかた」（1989/宮内徳一）
混声合唱組曲「白秋による三つの楽想」（1993/北原白秋）
女声合唱とピアノのための組曲「小さな虹」（橋爪文）
同声（女声）合唱とピアノ4手連弾のための組曲「さくら草の咲くまち」（1998/こわせたまみ）
二群の混声合唱と管弦楽のためのPSAUME CIV（詩篇104）
男声合唱組曲「山羊の月夜」(1972/周郷博)
優しき歌 序の歌(1966/立原道造/無伴奏混声合唱)
Kyrie eleison(無伴奏混声合唱)
落葉林で(無伴奏混声合唱)
ソプラノ独唱と男声合唱のための「生命の神秘」（1994/G.マンテガッツァ）

童謡

あくしゅでこんにちは
あるけあるけ
うまさん
なのはなさん
ひらひらはなびら

編曲

フォーレ「レクイエム」女声合唱版
女声合唱のためのアルバム「ふるさとのうた」

校訂

『近代フランス・ピアノ曲集』（音楽之友社）
『フォーレ歌曲全集』（全音楽譜出版社）
『グノー歌曲選集』（全音楽譜出版社）
『フォーレ合唱曲集』（カワイ出版）
『二つのミサ曲』（カワイ出版）

著書

『和声法の研究』（龍吟社）

萩原英彦は、作曲家としてだけでなく、教育者、校訂者としても日本の音楽界に大きな足跡を残しました。彼の作品は、現在でも多くの人々に演奏され、愛され続けています。

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