日本棋院選手権戦

日本棋院選手権戦

日本棋院選手権戦は、1953年から1975年まで全22期にわたり開催された、日本の囲碁界における重要な棋戦の一つです。この棋戦は、中部日本新聞によって1953年に創設され、その後、北海道新聞と西日本新聞が加わり、三社連合による共催という形で発展しました。1975年をもって発展的に解消し、天元戦へと引き継がれています。

歴史的背景

中部日本新聞は、日本棋院選手権戦を開始する以前から、囲碁界の活性化に貢献していました。1949年からは、藤沢朋斎、木谷實、岩本薫という当時のトップ棋士たちによる三者リーグ戦を実施し、その後も高段者勝抜戦や、坂田栄男らを中心とした五番碁シリーズ、中堅棋士選抜棋戦など、様々な企画を打ち出していました。これらの取り組みが、日本棋院選手権戦へと繋がっていきました。

棋戦の方式

日本棋院選手権戦の方式は、時代によって変化が見られます。第1期はトーナメント方式が採用され、決勝は一番勝負で行われました。第2期から第8期までは、挑戦手合三番勝負、そして第9期以降は挑戦手合五番勝負という形式が採用されました。挑戦手合五番勝負では、二日制での対局が行われていたことが特筆されます。コミは一貫して4目半でした。

名誉称号

坂田栄男は、日本棋院選手権戦において圧倒的な強さを見せ、7連覇という偉業を達成しました。この功績を称えられ、「名誉日本棋院選手権者」の称号が贈られました。

歴代優勝者

以下に、日本棋院選手権戦の歴代優勝者と決勝戦の結果をまとめます（左が優勝者）。

1954年: 高川格 - 篠原正美
1955年: 坂田栄男 2-0 高川格
1956年: 坂田栄男 2-1 杉内雅男
1957年: 坂田栄男 2-1 杉内雅男
1958年: 坂田栄男 2-0 木谷實
1959年: 坂田栄男 2-0 高川格
1960年: 坂田栄男 2-0 高川格
1961年: 坂田栄男 2-1 藤沢秀行
1962年: 高川格 3-0 坂田栄男
1963年: 高川格 3-1 山部俊郎
1964年: 坂田栄男 3-0 高川格
1965年: 坂田栄男 3-1 宮下秀洋
1966年: 大平修三 3-1 坂田栄男
1967年: 大平修三 3-2 林海峰
1968年: 大平修三 3-1 山部俊郎
1969年: 大平修三 3-0 宮下秀洋
1970年: 石田芳夫 3-1 大平修三
1971年: 石田芳夫 3-0 武宮正樹
1972年: 大平修三 3-1 石田芳夫
1973年: 坂田栄男 3-1 大平修三
1974年: 坂田栄男 3-2 加藤正夫
1975年: 坂田栄男 3-2 趙治勲

記録

最多優勝: 12回 坂田栄男
最多連覇: 7期 坂田栄男

参考文献

坂田栄男『囲碁百年 3 実力主義の時代』平凡社 1969年
道新スタッフブログ (http://blog.hokkaido-np.co.jp/staff/oldentries/archives/cat340/)

もう一度検索