日本武道医学

日本武道医学は、1956年に中山清によって創始された総合手技療法の大系です。現代柔道整復術との理念の違いから、中山清は柔道整復と決別し、独自の武道医学を体系化しました。学問として捉える場合は「武道医学」、流派として捉える場合は「武医術」と呼ばれます。

組織的体系

日本武道医学は、以下の3つの組織体系から構成されています。

一般社団法人日本武道医学会: 武道医学の社会的な活動を行う非営利型社団法人です。
日本武道医学研修道場: 武道の研修機関として、武道の精神と技術を追求します。
日本武道医学専門学院: 手技医療の研修機関として、伝統的な手技療法を学びます。

学問的大系

武道医学は、「医の門」（医法）と「武の門」（武法）の二つの大系に分類されます。

医の門（医法）

医の門は、以下の部門から構成されています。

手技医学研修部門: 日本の伝統整体術（武道整体）に加え、オステオパシーやカイロプラクティックなどの研究・研修を行います。
東洋医学研修部門: 東洋医学を武道医学的な視点から研究し、研修を行います。
整骨医学研修部門: 古来より日本武道に伝わる伝統的な整骨技法の保存を目的とします。
各種伝統医学研修部門: アーユルヴェーダ、ユナニ医学、仏教医学、チベット医学など、様々な伝統医学の研究・研修を行います。

武の門（武法）

武の門は、以下の部門から構成されています。

柔術: 天神真楊流柔術、真之神道流などの殺活法の研究・研修を行います。
養成部門: 気体調整法、トーンアップ・ヨガ、強腱導引術などから構成され、体力増強、健康維持、予防を目的とした経絡動作法を行います。

哲学的背景

中山清は、インド哲学や東洋哲学を深く研究し、武道医学、特に活法の効能を宗教的、哲学的、超自然現象的な視点から探求しました。そして、武道医学独自の哲理を説きました。

日本武道医学は、中山清の薫陶を受けたサイード・パリッシュ・サーバッジューに受け継がれ、現在も発展を続けています。

参考文献

中山清、日本武道医学会『武医同術』いなほ書房、1984年7月。ISBN 4-7952-6213-6。
中山清『武医同術II（武徳）総括編』日本武道医学会、1988年7月。全国書誌番号:88051684。
中山清『武医同術（第三篇）』1989年。
サイード・パリッシュ・サーバッジュー『武道整体医法―武道医学入門』ベースボール・マガジン社、1994年3月。ISBN 4583031114。
サイード・パリッシュ・サーバッジュー『活殺法の秘奥―武道医学極意 柔術整骨医法』ベースボール・マガジン社、1995年5月。ISBN 4583032137。
サイード・パリッシュ・サーバッジュー『臨床武道医学―続・武道整体医法』ベースボール・マガジン社、1997年6月。ISBN 4583033958。
サイード・パリッシュ・サーバッジュー『秘伝 日本武道医学』福昌堂、2002年10月。ISBN 4892247790。
サイード・パリッシュ・サーバッジュー『整体概論』たにぐち書店、2009年1月。ISBN 978-4-86129-073-2。
『武道医学ジャーナル』NO.1 - NO.8 1993年 - 1997年

外部リンク

武道医学／武道整体公式サイト

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