日本精鉱

日本精鉱株式会社について

日本精鉱株式会社は、アンチモンの精錬と加工を専門とする企業です。アンチモンは、難燃剤、触媒、半導体材料など、幅広い産業分野で使用される重要な金属です。

概要

同社は、かつて兵庫県に存在した中瀬鉱山から産出されるアンチモン含有鉱石を精錬していました。しかし、1969年に鉱山が閉山したため、現在は海外からアンチモン地金を輸入し、国内で精錬・加工を行っています。日本精鉱は、アンチモン製品の製造・販売だけでなく、関連会社を通じて金属粉末の製造も手掛けています。

株式市場での符丁

株式市場では、日本精鉱の株式は「ボロコウ」という符丁で呼ばれることがあります。これは、アンチモンの俗称である「ボロンコウ」に由来するものです。

事業内容

日本精鉱の主な事業は以下の通りです。

アンチモン事業: アンチモン地金の加工、三酸化アンチモン、アンチモン酸ソーダ、三硫化アンチモン、五硫化アンチモン、三塩化アンチモン、五塩化アンチモン、金属アンチモンなどの製造・販売を行っています。
金属粉末事業: 関連会社の日本アトマイズ加工株式会社が、水アトマイズ法による銅などの金属微粉末を製造しています。これらの金属粉末は、電子部品や精密モーターの軸受などに使用されています。
不動産賃貸事業: 不動産賃貸事業も行っています。

製品

同社の主な製品は以下の通りです。

三酸化アンチモン: 合成樹脂の難燃助剤やポリエステルの重合触媒として使用されます。
アンチモン酸ソーダ: ガラスの消泡剤やエンジニアリングプラスチックの耐熱化剤として使用されます。
三硫化アンチモン: ブレーキシューの減摩材として使用されます。
五硫化アンチモン: 黄銅等の表面加工に使用されます。
三塩化アンチモン: 触媒、顔料、半導体製造原料、試薬として使用されます。
五塩化アンチモン: 触媒として使用されます。
金属アンチモン: 半導体、蓄電池、軸受の減摩、硬鉛鋳物、電線、活字合金、ガラスの清澄剤に使用されます。
硫化スズ等: その他、様々な硫化物を製造しています。
複合難燃剤: 合成樹脂用の難燃剤です。

沿革

日本精鉱は、1935年に中瀬鉱業株式会社として設立されました。その後、天美鉱業株式会社を吸収合併し、現在の社名に変更されました。

1935年: 中瀬鉱業株式会社設立(資本金3百万円)。
1936年: 天美鉱業株式会社を吸収合併し、日本精鉱株式会社に社名変更(資本金8百万円)。本社を東京に移転。
1943年: 中瀬鉱山がアンチモン重要鉱山に指定され、三菱鉱業(株)へ経営委任。
1946年: 終戦により委任解除。資本金４百万円。
1948年: 中瀬にアンチモン製錬所竣工、三酸化アンチモン及び金属アンチモンの販売開始。
1949年: 東京証券取引所、大阪証券取引所第二部に上場。
1969年: 鉱山部門を閉鎖。
1982年: アンチモン商品名を改訂し、主力製品の三酸化アンチモンをATOX及びPATOXとする。
2000年: 日本アトマイズ加工㈱を子会社化。
2003年: 住友金属鉱山より酸化アンチモンの営業権を取得。
2004年: 大阪証券取引所上場廃止。
2008年: 日本アトマイズ加工㈱を完全子会社化。
2013年: 日銻精礦（上海）商貿有限公司が中国上海市にて営業開始。
2018年: 中瀬製錬所 金属硫化物製造工場（SULMICS製造工場）竣工。

所在地

本社: 東京都新宿区
営業所: 大阪府大阪市西区
精錬所(工場): [兵庫県]][[養父市]

関連会社

日本アトマイズ加工株式会社: 金属粉末の製造・販売。
日銻精礦（上海）商貿有限公司: アンチモン製品等の中国国内向け販売。

外部リンク

日本精鉱
* 日本アトマイズ加工


日本精鉱は、アンチモン製品のリーディングカンパニーとして、その技術力を活かし、幅広い産業分野の発展に貢献しています。

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