日産・TBエンジン

日産・TBエンジンの概要

日産・TBエンジンは、日産自動車が製造する直列6気筒のガソリンエンジンのシリーズです。このエンジンは主に日産工機によって生産されており、特にオフロード車やピックアップトラックにおいて、その力強さと耐久性から高く評価されています。

TBエンジンの歴史

TBエンジンは1987年に、Y60型サファリのフルモデルチェンジ時に初めて登場しました。P40エンジンの後続として登場したTB42SおよびTB42Eは、1991年の日本国内向けマイナーチェンジでTB42Eが初めて設定されました。その後、ボアを拡大したTB45EがY61型サファリに搭載され、このエンジンはより高い出力を実現しました。

2002年には、Y61型サファリがマイナーチェンジされる際、TBエンジンも進化を遂げ、DOHC（ダブルオーバーヘッドカムシャフト）型のTB48DEが登場しました。このエンジンは、可変バルブ機構が搭載され、トヨタの2UZ-FEエンジンを上回る排気量を持つことで注目を集めました。

TBエンジンの特徴とバリエーション

TBエンジンは、主に以下のバリエーションが存在しています：

1. TB42E / TB42S
タイプ: 4,169cc 直列6気筒 OHV
内径×行程: 96.0mm×96.0mm
最高出力: 130kW(175PS)/4,200rpm
最大トルク: 320Nm(32.6kg-m)/3,200rpm
搭載車種: 日産・サファリ（Y60型）

2. TB45E / TB45S
タイプ: 4,478cc 直列6気筒 OHV
内径×行程: 99.5mm×96.0mm
最高出力: 127kW(173PS)/4,400rpm
最大トルク: 314Nm(32.0kg-m)/3,600rpm（いすゞ・ジャーニー）
149kW(200PS)/4,400rpm
最大トルク: 348Nm(35.5kg-m)/3,600rpm（サファリ）
搭載車種: 日産・サファリ（Y61型、Y60型）、日産・シビリアン、いすゞ・ジャーニー（W41型）

3. TB48DE
タイプ: 4,758cc 直列6気筒 DOHC 24バルブ
内径×行程: 99.5mm×102.0mm
最高出力: 180kW(245PS)/4,800rpm
最大トルク: 400Nm(40.8kg-m)/3,600rpm
搭載車種: 日産・サファリ（Y61型）

エンジンの減少と現在

2003年以降、日産のSUVやピックアップトラックにはVQエンジンやVKエンジンが搭載されるようになり、TBエンジンは主にサファリ専用の存在となりました。日本市場では、2007年6月にサファリの販売が終了したため、TB48DEは日産の乗用車における最後の直列6気筒エンジンとなりました。

さらに、2003年にはNOx規制への対応として、TB45EエンジンがマイクロバスのW41型シビリアンおよびいすゞ・ジャーニーに搭載されるようになりました。2017年時点では、日産自動車において唯一の直列6気筒エンジンとして、TBエンジンが残ることとなりました。

まとめ

日産・TBエンジンは、その歴史と技術の進化により、特にオフロード車両での高性能を誇るエンジンシリーズです。直列6気筒エンジンとしての特性を活かし、頑丈で信頼のおけるパフォーマンスを提供してきました。現在ではTBエンジンの搭載車は限られていますが、その存在感と技術的革新は多くのファンに支持されています。

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