日立龍栄一

日立龍栄一（ひたちりゅう えいいち）は、1969年10月19日に茨城県日立市で生まれました。本名を脇坂栄一といい、押尾川部屋に所属していた元大相撲力士です。身長180cm、体重133kgと恵まれた体格を持ち、右四つからの寄りや、立合いでの変化からの蹴手繰りを主な得意技としていました。

中学時代から相撲で活躍

日立市立多賀中学校時代には相撲部に所属し、3年生の時に団体戦で茨城県大会優勝を果たし、全国中学校相撲選手権大会にも出場しました。中学校の1年先輩には大至がおり、その縁から中学校卒業後に押尾川部屋へ入門しました。1985年3月場所で初土俵を踏み、力士としてのキャリアをスタートさせました。四股名の「日立龍」は、出身地である日立市と、中学校の大先輩である兄弟子の多賀竜に因んで名付けられました。

多賀竜は、日立龍が入門する前年の1984年9月場所で優勝を果たしており、場所後には郷里の日立市で凱旋パレードが行われました。多賀竜は母校の多賀中学校にも立ち寄り、当時在校生であった日立龍は、先輩である多賀竜を歓迎したというエピソードがあります。1991年5月場所で十両に昇進すると、6日目にはその多賀竜との対戦が実現し、日立龍が見事に勝利しました。この一番が多賀竜の現役最後の取組となり、多賀竜は引退しました。

新入幕と怪我、そして引退

1993年3月場所で新入幕を果たし、東前頭14枚目まで番付を上げました。しかし、その場所の千秋楽で春日富士との対戦で両膝の靭帯を損傷するという大怪我を負ってしまいました。翌5月場所は公傷扱いで全休。7月場所では幕尻で負け越し、十両へ陥落してしまいました。その後、体を大きくしようとした反動から糖尿病を患い、1995年11月場所では幕下にまで番付を落としてしまいました。

幕内はおろか、十両に返り咲くことも叶わず、1996年9月場所を最後に、26歳という若さで現役を引退しました。力士としての生涯成績は342勝320敗29休、勝率は.517。幕内での成績は12勝18敗15休、勝率は.400でした。現役在位は70場所、幕内在位は3場所でした。幕下優勝を1回（1991年1月場所）果たしています。

主な成績

生涯成績：342勝320敗29休 勝率.517
幕内成績：12勝18敗15休 勝率.400
現役在位：70場所
幕内在位：3場所
各段優勝：幕下優勝1回（1991年1月場所）

改名歴

脇坂 栄一（わきさか えいいち）：1985年3月場所-1989年5月場所
* 日立龍 栄一（ひたちりゅう えいいち）：1989年7月場所-1996年9月場所

日立龍栄一は、怪我や病気に苦しみながらも、相撲道に尽力した力士でした。

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