日経金融新聞

日経金融新聞とは

日経金融新聞は、日本経済新聞社が発行していた金融専門紙です。1987年10月に創刊され、2008年1月31日に廃刊となりました。廃刊の背景には、同年3月に創刊された投資・金融情報専門週刊紙『日経ヴェリタス』への移行があります。

概要

主に金融機関の関係者を対象として購読されていました。一般企業でも購読されることはありましたが、内容が専門的であるため、金融の知識がない人には難しいものでした。株式新聞やNSJ日本証券新聞などの株式市況専門紙とは異なり、金融全般を扱う業界紙としての位置づけでした。

後継の『日経ヴェリタス』は、ウォール・ストリート・ジャーナル版元のダウ・ジョーンズが手掛ける週刊紙『バロンズ』を参考に、個人投資家も読者対象に含めることで、より幅広い層にアプローチすることを目指しました。

販売部数は、日本経済新聞社広告局の発表によると、2005年7月から12月の平均で46,300部でした。これは、日経MJや日経産業新聞よりも少ない部数でした。

平日の朝刊のみが発行され、日経新聞の販売店を通じて購読することができました。月ぎめ購読料は5,036円、一部売りは220円で、毎日一部売りを購入する方が安価でした。

紙面構成

紙面構成は曜日によって異なりましたが、毎発行日に必ず掲載される人気コラムがありました。例えば、フロント面（1面）の「複眼独眼」、株フロント面（最終面）の「スクランブル」、マーケット面（2面）の「ポジション」などです。3面は「金融総合面」として、金融機関や周辺業界の話題、ニュース、人事動静などが紹介されていました。

人気コラム

複眼独眼

経済全般について、記者や金融業界関係者などがペンネームで執筆するコラムです。テーマは、初歩的な投資の心得から会計制度、ノーベル経済学賞まで多岐にわたりました。匿名であるため、大胆な問題提起も行われましたが、机上の空論に終わることもありました。
ポジション

金融マーケットに関するコラムです。外国為替、債券、短期金融、商品先物などの各市場のテーマを取り上げました。日本経済新聞本紙のマーケット総合1面に掲載されている「マーケット・ウォッチャー」とほぼ同じ執筆者であると考えられていますが、「ポジション」は署名記事でした。「ポジション」とは、金融業界では「持ち高」を意味し、どのような金融資産を保有しているか、つまり、どのような相場観を持っているかを表しています。プロの資産運用の視点を解き明かすという意味を込めて名付けられたコラム名です。
スクランブル

国内外の株式市場の話題を取り上げるコラムです。株式投資家への影響力は大きく、日本経済新聞本紙のマーケット総合2面の「株式往来」が市場の概況を伝えるのに対し、「スクランブル」は特定のテーマに焦点を当てて深く掘り下げていました。若手記者も執筆しており、株式投資について異なる視点を提供したり、市場の矛盾を深掘りしたりするなど、一般には理解されにくいものの、市場関係者にとっては重要なテーマを取り上げていました。2005年の郵政解散をきっかけに株式相場が急上昇する直前に、「小型株時代の終焉」を示唆する記事を掲載したり、歴代の総理大臣の任期で区切り、日経平均株価をローソク足チャートで分析した「小泉続投、株は長期上昇?」などの印象的な記事もありました。コラム名の由来については、諸説あるようです。

金融機関人気度ランキング調査

日経金融新聞が毎年正月に掲載していた金融機関の人気度調査です。上場企業および店頭公開企業の財務担当部長クラスを対象に、毎年11月頃に郵送でアンケートを行い、その結果を翌年の正月に発表していました。アンケート名は「銀行・証券・生損保・投信・投資顧問会社人気度アンケート調査」で、集計は調査会社の「日経リサーチ」が行っていました。調査は任意であり、回答企業名は個別には一切記載されませんでした。

関連項目

日本経済新聞
日経ヴェリタス
証券専門紙
日本の新聞
金融機関

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