日野政資

日野 政資 (ひの まさすけ) の生涯と背景

日野政資は、室町時代後期に活躍した公家で、父は左大臣の日野勝光です。彼は文明元年（1469年）に生まれ、三人兄弟の末っ子として育ちました。彼の長兄・資基は、将軍・足利義政に命じられて自害の危機にありましたが、父の嘆願により生き延び、翌年には出家しました。次兄の尊慶は僧籍にいたものの、短命でした。このような家族の背景が、政資の人生に大きな影響を与えました。

文明7年（1475年）、わずか7歳で元服を迎え参内を果たし、侍従に任命された政資は、義政から一字を賜り、名を政資と改めました。彼の若い時期は、叔母の日野富子や二条持通などの支えによって支えられました。

文明8年（1476年）は、政資の人生において重要な転機となる年でした。この年に父・勝光が亡くなり、幼い政資は日野家の家督を継承しました。同年、後花園上皇と後土御門天皇は、室町殿が焼失したため政資の邸宅を一時の避難所として利用しました。

その後、文明18年（1486年）には、足利義尚が右大将に任じられる際、政資は室町殿家司に就任し、実務的な活動を行うようになりました。この頃には蔵人頭にも任じられ、朝廷内での地位を確立していきます。また、長享元年（1487年）や延徳3年（1491年）の際には、軍を率いて六角氏征伐に従軍しました。

明応2年（1493年）には、将軍・義材が畠山基家を討伐するために河内に下向しましたが、この陣中で明応の政変が勃発しました。政資は、広橋守光や烏丸冬光といった他の大名と共に、新しい将軍である義遐の元に立ち上がることになります。

しかし、政資の政治的な活躍は長くは続きませんでした。明応4年（1495年）9月7日、彼は亡くなります。政資の死後、日野家の家督は彼の遺言に従い、徳大寺実淳の次男である内光が継ぐことになりましたが、政資の弟である烏丸冬光が相続権を主張するなど、家中には様々な反発が生じました。

日野政資の人生は、彼の家族や時代背景と深く結びついており、彼が生きた時代の日本の状況を象徴する存在と言えるでしょう。

もう一度検索