日高幌別駅

日高幌別駅（廃駅）

日高幌別駅は、かつて北海道浦河郡浦河町に位置し、JR北海道日高本線に属していた駅です。1937年に開業し、地域の交通を支えてきましたが、2021年の日高本線の一部区間廃止に伴い、その歴史に幕を閉じました。

歴史

日高幌別駅は、1937年8月10日に国有鉄道日高線の浦河駅 - 様似駅間延伸に伴い開業しました。開業当初から一般駅として機能し、1943年には日高本線の駅となりました。

特筆すべき出来事として、1961年2月25日には、当地生産の五冠馬シンザンが種牡馬入りするために当駅に到着し、繋養先の谷川牧場まで歩いて移動したというエピソードがあります。この出来事は、地域住民にとって大きな出来事として記憶されています。

1977年には貨物・荷物の取り扱いが廃止され無人化されましたが、1978年には浦河町主導で新駅舎（愛称：レストビレッジ・シンザン）に改築され、地域住民の交流拠点としての役割を担いました。

国鉄分割民営化により1987年にJR北海道に継承されましたが、2015年以降、高波被害や土砂流出により列車の運行が休止されることが度々ありました。そして、2021年4月1日に鵡川駅 - 様似駅間が廃止されたことに伴い、日高幌別駅も廃駅となりました。

駅名の由来

駅名は、付近を流れる幌別川（日高幌別川）に由来します。室蘭本線に同名の幌別駅が既に存在したため、旧国名の「日高」を冠して区別されました。

駅構造

日高幌別駅は、単式ホーム1面1線を有する地上駅でした。ホームは線路の北側に位置し、転轍機を持たない棒線駅となっていました。かつては島式ホーム1面2線を有する列車交換可能な交換駅でしたが、交換設備運用廃止後に撤去されました。

駅舎は構内の北側に位置し、ホームとは通路で連絡していました。有人駅時代の駅舎は改築され、レストランや西幌別簡易郵便局などが入居する複合施設「レストビレッジ シンザン」として利用されていました。レストランでは競馬グッズが販売され、駅舎内にはトイレも設置されていました。

利用状況

近隣住民の足として利用されていましたが、2015年以降は災害の影響でバス代行輸送となる期間もありました。

駅周辺

駅周辺には、国道236号や国道336号が通り、浦河警察署西幌別駐在所、西幌別簡易郵便局、ひだか東農業協同組合（JAひだか東）幌別事業所などの公共施設がありました。また、浦河町立浦河第二中学校や浦河町立浦河東部小学校などの教育施設、うらかわ優駿ビレッジAERUや日高種畜牧場、日本中央競馬会日高牧場などの観光施設も点在していました。五冠馬シンザンの繋養先であった谷川牧場には「シンザン像」が設置され、多くのファンが訪れていました。その他、浦河町立伏木田光夫美術館や浦河町立郷土博物館などの文化施設、日高幌別川などの自然も身近にありました。

日高幌別駅は廃止されましたが、その名前は地域の歴史とともに人々の記憶に残り続けるでしょう。

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