日高第四郎

日高第四郎

日高第四郎（ひだか だいしろう、1896年2月16日 - 1977年12月14日）は、日本の教育学者、文部官僚です。激動の時代に教育界を牽引し、戦後の教育改革に重要な役割を果たしました。

生涯

東京府（現在の東京都）にて、書家の日高秩父とリキの四男として生を受けました。1922年に京都帝国大学文学部哲学科を卒業後、教育の道へ進みます。広島高等学校、第三高等学校、第一高等学校で教鞭を執り、教育者としてのキャリアを積み重ねました。

1946年には文部省学校教育局長に就任し、戦後の学制改革に深く関わりました。教育制度の根幹を成す改革に尽力し、日本の教育の新たな基盤を築く上で重要な役割を果たしました。その後、国立教育研究所長を経て、1951年には文部事務次官に就任。教育行政の最高責任者として、日本の教育をリードしました。

1952年2月には、文部事務次官在任中に、女子及び年少者の人身売買に関する件で衆議院行政監察特別委員会に証人喚問されるという出来事もありました。同年に国際基督教大学教授に転じ、1966年に定年退職。その後も、学習院女子短期大学の学長兼学習院副学長を1970年まで務めるなど、教育への情熱を生涯持ち続けました。

また、日本ユネスコ国内委員、民主教育協会副会長、教育課程審議会会長など、数々の要職を歴任。教育の発展と向上に貢献しました。

家族・親族

父は書家の日高秩父、母は呉黄石・せき夫妻の娘であるリキです。母方の祖母・せきは、蘭学者である箕作阮甫の長女であり、日高第四郎は阮甫の曾孫にあたります。この血筋からも、学問や文化に対する深い関心が伺えます。統計学者の呉文聰は母方の伯父、精神医学者の呉秀三は母方の叔父にあたり、医学者の呉建と経済学者の呉文炳は母方の従兄（ともに文聰の子）、西洋古典学者の呉茂一は母方の従弟（秀三の長男）、文部官僚で教育評論家の木田宏は女婿という、学術・文化に携わる親族に恵まれた環境で育ちました。

著書

『教育改革への道』洋々社 1954
『戦後の教育改革の実態と問題』民主教育協会 IDE教育選書 1956
『日本の教育のあゆみ・ねらい・よりどころ』民主教育協会 IDE教育選書 1957

編著

『大学入学に関する国際的研究』編 民主教育協会 IDE教育資料 1963

論文

CiNiiで日高第四郎の論文を検索することができます。

脚注・出典

『人事興信録 第2版』人事興信所、1908年6月18日発行
『人事興信録 第3版 く之部―す之部』人事興信所、1911年3月25日発行
『人事興信録 第4版』人事興信所、1915年1月10日発行
『人事興信録 第5版』人事興信所、1918年9月15日発行
* 水谷仁「学問の歩きオロジー わが故郷の偉人たち (3) - 現代につながる巨星たちの系譜」『Newton』2007年4月号、ニュートンプレス、98-103頁。



日高第四郎は、教育者、官僚として、日本の教育界に多大な貢献をしました。その業績は、現代の教育にも大きな影響を与え続けています。

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