旭伸航空

旭伸航空について

旭伸航空（きょくしんこうくう）は、新潟県新潟市東区にてかつて存在していた日本の航空会社です。1968年3月15日に国内産業航空株式会社として創業し、1971年に現在の社名に変更されました。略称は「KOK」で、コールサインは「Kyokushin Air」です。

事業内容

旭伸航空の主な業務は、新潟空港と佐渡空港を結ぶチャーター便の運航や航空写真撮影用のフライトを行うことでした。その後、1996年からは正式に新潟 - 佐渡路線の運航を開始し、特にトキのイラストを施した機体で知られる「TOKI夢ライン」サービスを展開しました。季節によって異なりますが、春から秋にかけては1日4往復、冬季は3往復の運航が行われていました。

しかし、佐渡島行きの航空便は、佐渡汽船が運航する海上路線と競合していました。このため、利用客数は年々減少し続け、経営に大きな影響を及ぼしました。特に他の航空会社が撤退した経緯もあり、旭伸航空も多くの赤字を抱えることとなりました。

経営の厳しさ

航空路の維持には、県や佐渡市が巨額の補填を行うことで支えられていました。これは、厳しい冬の海象条件により、時には両津港と新潟港間の海上航路が欠航するケースが多いためです。その際は、旭伸航空が増便することで交通路が維持され、島民の医療や物流の安定化が図られました。

にもかかわらず、2002年度以降は年間利用客数が1万人前後にまで減少し、累積赤字が膨れ上がる一方でした。人員の高齢化もあり、運航の維持が次第に困難になりました。2008年度には運航体制が縮小され、翌年9月30日にとうとう運航を終了しました。

運航停止後の状況

旭伸航空の運航終了後、沖縄県のエアードルフィンが運航再開を試みましたが、親会社が自己破産を申し立てたことにより計画は頓挫しました。その後、新日本航空が名乗りを上げ、2011年7月から佐渡線の運航を開始することとなりました。この運航再開でも、県と佐渡市の補助が行われ、旭伸航空の運営の懸念をそのまま引き継ぐ形となりました。

過去の運航路

旭伸航空は新潟空港と佐渡空港間の路線に特化していました。運航機材にはブリテン・ノーマン アイランダー（BN-2B-20型・客席定員9人）が使用されており、これらの機体は運航終了後にドイツへ売却されました。

トキとの関係

佐渡の象徴であるトキに因み、旭伸航空の機体にはトキをデザインした塗装が施されていました。印象深い取り組みとして、トキ保護センターから贈られたトキを、新潟空港から佐渡空港へ輸送する際にも使用されたことがあります。2008年には試験放鳥したトキと共に、トキ塗装の機体が佐渡の空を飛ぶ場面も見られました。

このように、旭伸航空は新潟と佐渡を結ぶ重要な役割を果たしていましたが、経営的な困難から歴史の幕を下ろしました。

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