旭富士 正也
旭富士正也(あさひふじ せいや、
1960年7月6日生まれ)は、
青森県西津軽郡木造町に生まれた元
大[[相撲]]
力士で、第63代
横綱に昇進し、平成初の
横綱として名を馳せました。彼の本名は杉野森正也(すぎのもり せいや)で、現役時代の彼の体格は189cm、143kg。この大柄な体躯を活かし、特に得意とした右四つや寄り、掬い投げを駆使して取り組みました。旭富士は、現役引退後も年寄・伊勢ヶ濱として
相撲界に貢献し続けています。
来歴
大島部屋への入門まで
旭富士は木造町立木造中学校、私立五所川原商業高等学校で
相撲部に所属し、高校時代には国民体育大会で団体優勝に貢献しました。高校卒業後は名門、
近畿大学に入学しましたが、団体生活に馴染めず
相撲部を退部し、一時は故郷へ戻り
漁業の仕事をしていました。その傍ら、独学で
相撲の稽古を続けていたところ、大島親方(元
大関・旭国)に見込まれ、スカウトを受けます。一度は断りましたが、その後、
関取がいない新設の大島部屋に入門を決意しました。
大学を中退した後、旭富士は
相撲の世界での成功を目指し、
初土俵を踏んだのは
1981年1月のことで、当時の基準では珍しく前
相撲からのスタートでした。入門早々、厳しい稽古が続きましたが、彼は持ち前の根性でそれを乗り越え、順調に昇進していきました。
1981年の
初土俵からほぼ1年後、新
十両に昇進し、
1983年3月場所で新入幕を果たします。直後の場所で8勝7敗という成績を収め、順調な出世街道を歩み始めました。その後、
関取として名を馳せる中で、彼は両差しの
相撲を利用した柔軟な取り口で知られるようになり、
1984年には初金星を獲得するなど着実に成績を残しました。特筆すべきは、
1986年に新
関脇として初めて千代の富士に勝利し、好成績を収めたことです。
1987年、旭富士は新
大関に昇進し、名実ともに一流
力士となりました。彼のキャリアの頂点は、
1988年に千秋楽で千代の富士を破って初優勝、14勝1敗という成績を収めた瞬間でした。この優勝は彼にとって多くの名
横綱と肩を並べる一歩となりました。しかし、
横綱昇進には未だ至らず、
1991年には再度膵炎に悩まされる時期もありました。その影響で勝ち星は伸び悩むこともありましたが、最終的には数回の優勝を重ね、名実ともに高い地位を保ち続けました。
横綱時代から引退まで
1990年には
横綱昇進が果たされます。以後、彼は数々の名勝負を繰り広げながら、
相撲界にその名を轟かせました。特に、
1991年には初の
幕内優勝を達成し、名実ともに
横綱としての地位を確立しました。残念ながら、病に苦しんだこともあり、彼の
横綱在位は9場所に留まりました。
引退を迎える
1992年には残念ながら3連敗を喫し、
相撲人生に幕を閉じることとなりました。彼は柔軟な取り口と鋭い技術で知られ、
横綱としては短命ながら多くのファンに愛された
力士です。
親方としての活動
引退後、旭富士は年寄として若手
力士の指導を行い、厳しい指導スタイルながらも彼らに力を与えています。また、多くの弟子を育て、
相撲界に貢献してきました。彼自身も
スイカや
映画鑑賞を好み、趣味を交えたユーモア溢れる性格から兄弟弟子たちから慕われています。
性格とエピソード
旭富士は非常に明るく、ユーモアのある性格で、現役時代にはテレビ出演も果たしました。引退後も
相撲界での経験を生かし、親しみやすい人柄で多くの弟子に影響を与えてきました。また、食生活や健康への意識が高く、弟子たちにもその重要性を教える姿が見受けられます。引退後も、体調や健康面に気を付け、現役時代の経験を元に指導を続ける姿勢が評価されています。旭富士正也は、
力士としてだけではなく、人間的にも尊敬される存在です。