明治大学グリークラブ

明治大学グリークラブ（めいじだいがくグリークラブ）は、首都圏の名門私立大学である明治大学に所属する、公認の学生団体による男声合唱団です。通称は「明グリ」として親しまれており、現在では学内において唯一の男声合唱を専門とする団体として活動を続けています。また、東京六大学合唱連盟に加盟し、他の五大学の合唱団とも交流を深めています。

この団体の起源は、1949年に誕生した明治大学交響楽団の合唱部に遡ります。その後、1951年には大学当局の正式な公認を得て、「明治大学合唱団」という混声合唱団として活動していました。しかし、団員数の増加や、当時の大学内に男声のみの合唱団が存在しなかった背景から、男声部としての独立した活動が段階的に始まりました。1957年頃から男声部として活動を活発化させ、1960年に「明治大学グリークラブ」として正式に名称を定め、母体であった明治大学合唱団から独立。翌1961年には組織としても完全に独立した団体となりました。創設時の団員は約100名を数えました。

歴代の常任指揮者としては、初代の秋山日出夫氏、第2代の外山浩爾氏が団の礎を築き、現在は第3代として佐藤賢太郎氏が指揮を執っています。特に外山浩爾氏は長きにわたり団を指導し、明治大学特別功労賞も受賞しています。

ユニークな歴史として、かつて大学周辺にあった喫茶店「兎月」（後に「ロビン」）を部室とは別の連絡場所として利用していた時期があります。1959年から約35年間にわたり、店の女性店主に活動を支えられていましたが、1994年の店主の死去と閉店に伴い、この事務所は閉じられました。

卒業生によるOB会は1972年に設立され、現在では全国に7つの支部を擁する強固な組織となっています。会紙「ふんげるめいる」の発行や、1994年に結成されたOB会合唱団「駿河台倶楽部」による2年に一度の単独演奏会開催など、多岐にわたる活動を通じて現役生の支援やOB間の親睦を深めています。

グリークラブとしての歴史は1960年から数えられますが、期の数え方や定期演奏会の回数は、前身の明治大学合唱団時代から継続しているため、これらの数字はグリークラブの設立年と直接一致しない点に注意が必要です。

年間を通じて、学内行事（入学式、卒業式など）や大学の地域支部での演奏、施設訪問、イベントでの演奏など、幅広い場で活動しています。また、演奏会活動は、東京六大学合唱連盟定期演奏会、立命館大学メンネルコールとの明立交歓演奏会、そして独自の定期演奏会が中心です。特に明立交歓演奏会は1962年から毎年開催されており、奇数年は東京、偶数年は京都または大阪と、両校の所在地で交互に行われる伝統的な演奏会となっています。近年では国内各地での演奏旅行も積極的に行っています。

合唱録音を含め、これまでに様々なメディアにも出演してきました。テレビ番組（「歌は生きている」「ゆく年くる年」「SONGS」など）、CM（ライオン、任天堂、NEC、日産自動車など）、ラジオ、映画（「ビルマの竪琴」）など、その活動は多岐にわたります。また、明治大学の校歌や応援歌などを収録したCDもリリースしています。

明治大学グリークラブは、男声合唱のために数多くの作品を国内外の作曲家に委嘱・初演していることでも知られています。青島広志、池辺晋一郎、荻久保和明、木下牧子、佐藤賢太郎、清水脩、多田武彦、新実徳英、信長貴富、松下耕など、日本を代表する多くの作曲家がこの団体のために作品を創作しています。これらの委嘱活動は、日本の男声合唱のレパートリー拡大に大きく貢献しています。

伝統と革新を兼ね備え、多くの人々に男声合唱の魅力を伝え続けている団体です。

参考文献
『明治大学グリークラブ : 30周年記念誌』
『明治大学グリークラブ50周年記念誌』

関連項目
東京六大学合唱連盟
立命館大学メンネルコール
デューク・エイセス
梶幹雄

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