明治大学体育会馬術部

明治大学体育会馬術部（めいじだいがく たいいくかい ばじゅつぶ、Meiji University Equestrian Team）は、明治大学体育会を構成するクラブの一つです。1920年に創部されて以来、日本の大学馬術界を牽引する存在として知られています。日本馬術連盟をはじめ、東京六大学馬術連盟、東京都馬術連盟、関東学生馬術連盟、全日本学生馬術連盟など、主要な競技団体に加盟し活動しています。

その競技成績は特筆すべきものがあり、全日本学生馬術大会では1994年から2010年にかけて、史上最多となる17年連続優勝という輝かしい記録を樹立しました。また、東京六大学馬術競技大会においても、1981年以降40年連続優勝を達成するなど、学生競技会で圧倒的な強さを誇っています。

多くの卒業生が国内外の馬術競技で活躍しており、特にオリンピックには多数の選手を送り出しています。2020年開催の東京オリンピックでは、馬術日本代表9名のうち6名を明大馬術部OBが占め、リザーブを含めると全12名中8名がOBという布陣でした。この大会では、OBである戸本一真選手が総合馬術個人で4位に入賞し、日本の同種目における過去最高成績を記録しました。

続く2024年パリオリンピックでは、馬場馬術、クロスカントリー、障害馬術の3種目を総合して競う総合馬術団体に、OBである大岩義明選手、戸本一真選手、北島隆三選手によるトリオが日本代表として出場しました（リザーブであった田中利幸選手も途中参加）。このチーム編成は2018年から続いており、3選手ともに英国を拠点に活動しています。彼らはこの大会で銅メダルを獲得。これは日本の馬術における92年ぶり史上2回目のメダルであり、総合馬術団体およびアジア勢としては史上初の快挙となりました。この歴史的な成果は「初老ジャパン」という愛称でも大きな話題を呼び、多くのメディアで取り上げられたほか、同年の『新語・流行語大賞』トップ10に選出されました。また、彼らと騎乗馬は「パリ2024オリンピック総合馬術団体日本代表」として、日本中央競馬会（JRA）の2024年度JRA賞馬事文化賞を受賞しています。

創部からの歴史を振り返ると、1920年に明治大学学友会（現体育会）の公認クラブとして活動を開始し、当初は「明治大学馬術部要訓」のもと、いくつかの班に分かれて練習を行っていました。他大学に馬術部が設立される動きと連携し、1924年には関東学生馬術協会が創立されています。1955年には東京都二子玉川に本格的な合宿所と厩舎を整備し、宮内庁の松林二郎氏ら高名な指導者を招いて実力向上に励みました。その成果もあり、1958年には日本スポーツ賞を受賞しています。練習拠点は1963年に現在の神奈川県川崎市にある明大生田キャンパス内に移転。その後も施設の拡充を進め、2018年には新厩舎が完成しました。2020年には創部100周年を迎え、記念式典が開催されました。

多くの卒業生がオリンピックに出場しているほか、監督の青山辰美氏をはじめとするOBが選手団役員やコーチとして歴代の大会に関わっています。2000年以降の主なオリンピック出場者には、大岩義明選手（5大会連続出場）、戸本一真選手、北島隆三選手、福島大輔選手、高橋正直選手、林伸伍選手、北原広之選手、弓良隆行選手、佐藤賢希選手、布施勝選手、齋藤功貴選手、土屋毅明選手などがいます。

また、明治大学馬術部をモデルにしたとされる作品に、1990年代に長期連載された漫画『めいわく荘の人々』があります。主人公が「M治大学文学部」の馬術部員という設定で、当時の学生の青春群像を描いた作品として親しまれました。

競技者以外でも、創業者として著名な石津謙介氏（ヴァンヂャケット）、日本フェンシング協会理事長の三上隆彦氏、五洋建設副会長を務めた酒井利勝氏など、財界、文化、スポーツ界など、幅広い分野で活躍する卒業生を輩出しています。

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