明王院 (吉野川市)

明王院（みょうおういん）

明王院は、徳島県吉野川市の山川町に位置する高野山真言宗のお寺です。この寺院は、不動明王を本尊としており、地元では「川田不動」という名でも親しまれています。また、四国三十六不動霊場の第9番札所でもあります。

御詠歌

「ありがたや 高越（こうつ）の里の不動尊 詣（まい）れる人を たすけたまえや」という御詠歌が、明王院の信仰の深さを物語っています。この詩は、訪れる信者達が不動明王の助けを願う心情を表現しています。

歴史

明王院の創建は、空海が四国を巡る際に高越山に立ち寄ったことに始まるとされています。1574年（天正2年）には、要全大徳師が再興し、寺院の伽藍を整える一方で、大聖不動明王法が修されました。この時期に、不動明王と毘沙門天を勧請したことが特に重要です。

1853年（安政5年）には、第18世快龍上人が本堂を建立しましたが、この本堂は老朽化したため1996年（平成8年）に再建されました。また、明王院の近くには井田神社もあり、信者たちが訪れる聖地となっています。

伽藍構成

明王院は多くの重要な建物から成り立っています。例えば、

• - 石柱門：寺院の入口として、訪れる人々を迎え入れます。
• - 本堂：仏教の心の拠りどころで、多くの参拝者が訪れます。
• - 大師堂：弘法大師を祀る場所です。
• - 多宝塔：弘法大師作とされる六地蔵尊を本尊としており、特に「目ひき地蔵」として知られています。これは、蜂須賀公が戦勝を祈念して参拝した際、目が動いたことから名付けられました。
• - 閻魔堂、鐘楼：その他の重要な構成要素として、閻魔堂や鐘楼も存在し、訪れる人々に深い精神的な安らぎを提供しています。

駐車場も完備されており、大型バスは徳島県道249号井上川田線の入口から約250mの距離にあります。なお、マイクロバス以下は境内門前に無料で駐車できるとあって、信者や観光客が訪れやすい環境が整っています。

高越山登山口

明王院の境内の左側には、高越山への登山口の一つがあります。この登山路をたどると、約4時間で高越寺に到達することができます。登山道を進むと、約100メートルの地点に「傘守観音」（昭和6年建立）があり、西国三十三所を模した円形の線画が描かれています。

交通アクセス

明王院にアクセスするためには、鉄道を利用するのが便利です。四国旅客鉄道（JR四国）の徳島線を利用し、阿波山川駅からおおよそ2.5kmの道のりを歩くことになります。

近隣の札所

明王院は四国三十六不動霊場に属しており、前後には次の札所があります：

• - 8番 長禅寺（約21km、車で40分）
• - 10番 東禅寺（約24km、車で60分）

明王院は、その歴史、文化、精神的な意義を持つ場所として、多くの人に愛され続けています。お近くに訪れた際には、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

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