映画スターベスト100

アメリカ映画界を代表するスター俳優50名を厳選した「AFI's 100 Years...100 Stars」。1999年、アメリカ映画協会（AFI）が発表したこのリストは、ハリウッド黄金時代の華麗なスターたちを称える、記念碑的な選定として知られています。

このリストは、AFIが企画した「AFIアメリカ映画100年シリーズ」の一環として発表されました。男性25名と女性25名、計50名の俳優が選出され、CBSの特別番組で発表された盛況ぶりは、当時大きな話題を呼びました。番組では、シャーリー・テンプルが司会を務め、50名の現役俳優がそれぞれのスター俳優を紹介するプレゼンテーションが行われました。

AFIは、選定基準として「映画スター」を明確に定義しました。それは、1950年以前にデビューした俳優、または1950年以降にデビューして既に亡くなっている俳優、そして40分以上の映画作品で大きな存在感を示した俳優とされています。単なる人気俳優ではなく、映画史に大きな足跡を残した真のスターを選定したことが伺えます。

2023年現在、この50名の中で存命なのは、ソフィア・ローレンただ一人です。リスト発表当時でも、存命だったのはわずか8名でした。マーロン・ブランド、グレゴリー・ペック、カーク・ダグラス、シドニー・ポワチエといった男性俳優4名と、キャサリン・ヘプバーン、エリザベス・テイラー、シャーリー・テンプル、ローレン・バコールといった女性俳優4名です。これらの俳優たちが残した作品群は、今もなお世界中で愛され続けており、映画史における彼らの功績は計り知れません。

出身国に着目すると、男性俳優25名のうち21名がアメリカ合衆国出身で、イギリス出身が3名（ケーリー・グラント、チャールズ・チャップリン、ローレンス・オリヴィエ）、ルーマニア出身が1名（エドワード・G・ロビンソン）となっています。一方、女性俳優25名には、アメリカ合衆国出身が16名と最も多く、他にベルギー（オードリー・ヘプバーン）、スウェーデン（イングリッド・バーグマン、グレタ・ガルボ）、イギリス（エリザベス・テイラー）、ドイツ（マレーネ・ディートリヒ）、フランス（クローデット・コルベール）、インド（ヴィヴィアン・リー）、イタリア（ソフィア・ローレン）、カナダ（メアリー・ピックフォード）と、多様な国籍のスターたちが含まれています。これらは、ハリウッドが世界中から才能を集めた国際的な舞台であったことを示しています。

「AFI's 100 Years...100 Stars」は、単なるランキングリストではなく、アメリカ映画史における重要な記録です。50名の俳優たちが築き上げた輝かしい功績と、その多様なバックグラウンドは、映画芸術の豊かさと、ハリウッドの国際的な魅力を改めて認識させるものです。このリストは、時代を超えて人々に感動と興奮を与え続ける、映画史上の偉大なスターたちへの賛辞と言えるでしょう。彼らの残した作品は、これからも多くの人々に観賞され、映画史に語り継がれていくことでしょう。

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