春日皇子

春日皇子について

春日皇子（かすがのみこ）は、古墳時代終末期から飛鳥時代にかけての皇族です。生没年は、欽明天皇21年（560年）頃に生まれ、推古天皇23年（615年）に没したと推定されています。父は敏達天皇、母は春日老女子（かすがのおみなご）で、難波皇子の同母弟にあたります。また、桑田皇女、大派皇子の同母兄でもあります。

物部守屋討伐への参加

用明天皇2年（587年）には、泊瀬部皇子、竹田皇子、厩戸皇子、難波皇子ら他の皇子たちと共に、物部守屋討伐軍に参加しました。この討伐軍には、母である老女子の父とされる春日臣仲君と推定される「春日臣」も参加しており、春日皇子が母方の血縁者の協力を得ていたことがうかがえます。

春日氏との関係

春日氏は、大和国添上郡春日郷（現在の奈良市白毫町付近）を根拠地とした氏族で、和珥氏の本宗家でした。欽明天皇の頃に本拠地を和邇から春日に移し、改姓したとされています。春日氏からは、代々皇妃が輩出されており、老女子の他にも、春日臣日抓の娘である糠子が欽明天皇の妃となったり、雄略天皇の妃である春日和珥童女君、仁賢天皇の妃である糠君娘も和珥氏の出身です。このように、春日皇子は母方の春日氏と非常に深い繋がりを持っていました。

系譜

父: 敏達天皇
母: 春日老女子（かすがのおみなご） - 別名：薬君娘（くすりこのいらつめ）
妻: 不詳
男子:
宮処王（みやところのおおきみ） - 子孫は春日真人
広瀬王（ひろせのおおきみ） - 子孫は香山真人

一般的に流布している小野氏系図では、春日皇子の子に小野妹子がいたとされていますが、これは後世の創作であると考えられています。

参考文献

『日本書紀』（三）・（四）、岩波文庫、1994年 - 1995年
『日本書紀』全現代語訳（下）、講談社学術文庫、宇治谷孟：訳、1988年
『別冊歴史読本　古代人物総覧』、新人物往来社、1996年

関連項目

春日部

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