春日錦孝嘉

春日錦 孝嘉（かすがにしき たかひろ）

春日錦 孝嘉は、1975年8月22日に千葉県夷隅郡岬町で誕生し、2020年4月24日に逝去した元大相撲力士です。彼は本名を鈴木 孝洋（すずき たかひろ）とし、春日野部屋に所属していました。体格は身長188cm、体重152kgで、血液型はB型です。趣味には釣りや水彩画があり、彼の性格は社交的で温厚でした。ファンに対するサービスも優れており、多くのファンに愛されました。

来歴

彼は料理店の次男として生まれましたが、少年時代には荒れた時期も経験しました。小学5年生の頃、春日野部屋を見学したことをきっかけに相撲の道を志すようになり、学校の授業で「横綱になる」と宣言しました。中学時代は兄と姉の影響で柔道を始めるも、部活動は美術部に属していました。その後、春日野部屋に入門し、1991年3月場所で初土俵を踏みました。

初土俵時の同期には、後に小結に昇進する千代天山や前頭の金開山がいました。しかし、幕下上位で眼底骨折を経験し、思うように成績を伸ばせなかった時期もありました。しかし、1999年7月場所で新十両昇進を果たし、2001年9月には十両に復帰。その後は定着し、2002年9月場所で新入幕を果たしました。彼の相撲スタイルは突き押しが得意で、右四つに組んでも力を発揮しました。

2003年と2004年の場所では西前頭5枚目を記録し、不動の地位を築きましたが、2006年の1月場所では途中からの8連敗が響き、再度の苦境に立たされました。以降、幕内と十両の往復が続き、2008年11月には9回目の入幕を果たしましたが、それ以降は幕内には戻れませんでした。

野球賭博問題と引退

2010年には、大相撲野球賭博問題に関与したことで謹慎処分を受け、同年の7月場所を全休しました。この影響で、翌9月場所では幕下に陥落。その後も負け越しが続き、2011年1月場所の13日目後に引退を決意しました。退職後、年寄である22代竹縄を襲名し、後進の指導に努めるプランを表明しました。

しかし、引退直後に発覚した大相撲八百長問題において、自身が八百長に関与していたことを認め、結果として職務停止2年の処分を受けました。彼は調査に対して協力的であり、問題の根源に対処する姿勢を持っていましたが、それにより日本相撲協会を自主退職する意向となりました。

晩年と死去

以降は表舞台から姿を消し、自身の人生について多く語ることはありませんでした。2021年8月20日、彼が自ら命を絶ったことが知られ、その死は多くの人々に衝撃を与えました。彼との思い出や功績は、未だに多くのファンの心に残り続けています。

主な成績

通算成績は611勝581敗で、勝率は.513となります。幕内における成績は107勝156敗、勝率は.407であり、現役在位は120場所、幕内在位は20場所でした。特に2002年5月の場所においては、11日目から千秋楽までに3つの不戦勝を得る記録を残しました。

人物像

春日錦は、その美声により、巡業や花相撲での相撲甚句が評価されるなど、独特の存在感を持っていました。プライベートでは愛妻家として知られ、妻の父は元サッカー選手の平沢周策です。また、彼の足元は強くなかったため、改名には「弱い足腰がしっかりするように」という願いを込めて本名を改名しました。

このように、春日錦は相撲界での栄光と、さまざまな波乱を経て多くの影響を与えた力士であったことが今も語り継がれています。

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