昨晩お会いしましょう

アルバム『昨晩お会いしましょう』の概要

松任谷由実（通称ユーミン）の12枚目となるオリジナルアルバム『昨晩お会いしましょう』は、1981年11月1日に東芝EMIから発売されました。この作品は、長年にわたり多くのファンに親しまれ、ユーミンの音楽活動における重要な一歩となりました。

リリースとツアー

アルバムのリリースに合わせて、1981年12月17日から1982年4月25日まで全国コンサートツアーが実施され、彼女の魅力を直接体験できる貴重な機会となりました。このライブは後にビデオ化され、『1982 Yuming Visual Volume2』として販売され、多くのファンにアーカイブが残されました。また、1985年6月1日には初めてCD化され、その後も1999年にはバーニー・グランドマンによるデジタルリマスタリングを経て、音質が大きく向上したリマスタリングCDとLPがリリースされました。

アルバムの特徴

アルバムのタイトルはオペラ『椿姫』にちなんで付けられ、デザインはイギリスのデザイン集団ヒプノシスによって手がけられました。このジャケットの背後にはユーミンに似たモデルが起用され、アイスランドでのロケーション撮影が行われました。デザイン案の選定過程において、最終的に決まる前にピンク・フロイドのアルバム『時空の舞踏』用の案にも使用されかけたという意外なエピソードもあります。

キャッチコピーと歴史的意義

キャッチコピー「過去、現在、未来、時の流れは今ユーミンに止められた。あなたの青春の一場面が息づく。」は、多くのリスナーの心に響く瞬間を捉えており、ユーミンの音楽が持つ普遍的な力を感じさせます。1981年の『昨晩お会いしましょう』から1997年の『Cowgirl Dreamin'』まで、17年間、連続してオリジナルアルバムの最高位1位を記録するという快挙も達成されました。

収録曲の魅力

アルバムには多くの名曲が収録されています。まず、「タワー・サイド・メモリー」は神戸を題材にした曲で、歌詞には神戸ポートタワーやポートピア博覧会が登場します。続いて、「守ってあげたい」はその年の日本作曲大賞を受賞し、ユーミンの代表曲として知られています。特に1980年代前半には大ヒットを記録し、今なお多くのアーティストにカバーされています。

「カンナ8号線」はユーミンのコンサートでは定番の曲であり、中心に存在するカンナの花を通して過去の思い出を織り込みます。「手のひらの東京タワー」では、お土産の象徴として東京タワーがモチーフにされており、ユーミン自らがそのタイトルの意味に気づくまで30年を要したというエピソードがあります。

参加ミュージシャン

アルバムには多数のミュージシャンが参加しており、キーボードに松任谷正隆、ドラムに林立夫や島村英二、ベースには高水健司や岡沢茂が名を連ねています。また、エレクトリック・ギターは松原正樹と鈴木茂が担当しており、そのレコーディングはユーミンの音楽に豊かな彩りを加えています。シンセサイザーやストリングスのアンサンブルも含まれ、アルバム全体にわたるサウンドの層を形成しています。

このアルバムのリリースから40年以上が経過しましたが、今なおユーミンの楽曲は多くの人々の心に響き続けています。彼女の音楽は、ただのエンターテイメントを超え、人生の感情や思い出を映し出す鏡となっています。

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