昭和の階段 Vol.1

工藤静香の初のカバーアルバム『昭和の階段 Vol.1』は、2002年10月30日にエクスタシー[[レコード]]より発売されました。販売はユニバーサルミュージックが担当しています。本作は、彼女が昭和の名曲をカバーした意欲的な作品であり、同日にはポニーキャニオンからベストアルバム『My Favorite Songs 〜Original Best〜』も同時発売されました。

アルバム制作は、2002年7月3日に発売されたアルバム『Jewelry Box』のインストアイベントで発表されました。選曲は新しい楽曲から始まり、終戦間もない頃の楽曲で終わるという構成で、時代を遡るような流れが特徴です。

当初、レコード店などの新譜情報では収録曲として「曼珠沙華 / 山口百恵」と「湖畔の宿 / 高峰三枝子」が記載されていましたが、実際には「元気を出して / 竹内まりや」と「なんとなくなんとなく / 井上順」に変更されました。この変更理由は明らかにされていません。「曼珠沙華」は後に、山口百恵トリビュート・アルバム『山口百恵トリビュート Thank You For…part2』（2005年5月25日発売）や、工藤静香のデビュー20周年記念ベスト『Shizuka Kudo 20th Anniversary the Best』（2007年8月29日発売）に収録されています。

アルバム収録曲の中でも、「なんとなくなんとなく」はイオンクレジットサービスのCMソングとして使用されました。また、工藤静香は1995年頃にNHK総合テレビの音楽番組『ふたりのビッグショー』に森口博子と共に出演した際、番組の最後に「元気を出して」を歌唱しています。

ディスクジャケットには工藤静香の幼少期の写真が使用されており、ブックレット中の歌詞掲載箇所にも同様に幼少期の写真が掲載されています。

収録曲は以下の通りです。

1. 元気を出して （薬師丸ひろ子 / 竹内まりや）
- 作詞・作曲：竹内まりや　編曲：澤近泰輔
- 薬師丸ひろ子が1984年に発表し、後に竹内まりやがセルフカバーした楽曲。
2. 恋人よ （五輪真弓）
- 作詞・作曲：五輪真弓　編曲：澤近泰輔
- 五輪真弓が1980年に発表した楽曲で、数多くのアーティストにカバーされている。
3. カサブランカ・ダンディ （沢田研二）
- 作詞：阿久悠　作曲：大野克夫　編曲：佐々木章
- 沢田研二が1979年に発表した楽曲。
4. かもめはかもめ （研ナオコ / 中島みゆき）
- 作詞・作曲：中島みゆき　編曲：澤近泰輔
- 研ナオコが1978年に発表し、後に中島みゆきがセルフカバーした楽曲。
5. 氷の世界 （井上陽水）
- 作詞・作曲：井上陽水　編曲：佐々木章
- 井上陽水が1973年に発表した、日本初のミリオンセラーアルバムの表題曲。
6. 黒の舟唄 （野坂昭如）
- 作詞：能吉利人　作曲：桜井順　編曲：澤近泰輔
- 野坂昭如が1971年に発表した楽曲で、後に加藤登紀子もカバーしている。
7. なんとなくなんとなく （井上順）
- 作詞・作曲：かまやつひろし　編曲：上畑正和
- 井上順（ザ・スパイダース）が1966年に発表した楽曲で、後に日産・パルサーのCMソングに使用された。
8. コーヒー・ルンバ （西田佐知子）
- 作詞・作曲：Jose Manzo Perroni　訳詞：中沢清二　編曲：澤近泰輔
- 西田佐知子がカバーし、1961年に発表された楽曲。西田はこの楽曲で『NHK紅白歌合戦』に初出場した。
9. アカシアの雨がやむとき （西田佐知子）
- 作詞：水木かおる　作曲：藤原秀行　編曲：澤近泰輔
- 西田佐知子が1960年に発表した楽曲で、60年安保闘争を背景に大ヒットした。
10. カスバの女 （エト邦枝）
- 作詞：大高ひさを　作曲：久我山明　編曲：澤近泰輔
- エト邦枝が1955年に発表した楽曲で、アルジェリアを舞台としている。
11. 黒百合の歌 （織井茂子）
- 作詞：菊田一夫　作曲：古関裕而　編曲：澤近泰輔
- 織井茂子が1953年に発表した楽曲で、映画『君の名は』第2部の主題歌。
12. テネシー・ワルツ （江利チエミ）
- 作詞・作曲：Redd Stewart・Pee Wee King　訳詞：和田寿三　編曲：澤近泰輔
- 1948年にアメリカで生まれた楽曲で、1952年に江利チエミが一部日本語で歌った。
13. 星の流れに （菊池章子）
- 作詞：清水みのる　作曲：利根一郎　編曲：澤近泰輔
- 菊池章子が1947年に発表した楽曲で、終戦直後の世相が歌詞に反映された流行歌。

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