エト邦枝

エト邦枝（本名：笠松エト）は、1916年1月1日に東京府東京市浅草区（現在の東京都台東区浅草）で生まれ、1987年3月13日に逝去した昭和期の女性歌手です。

彼女は、大蔵省に勤務しながらクラシック音楽を学び、帝国音楽学校を卒業後、声楽家の原信子に師事しました。その後、藤原歌劇団や東宝実演部を経て、1947年に宇佐美エトとしてコロムビアレコードからデビューしました。その後、各レコード会社を転々としましたが、1954年にテイチクに所属しました。

1955年には、彼女の代表曲となる『カスバの女』を発表しました。発表当初は大きなヒットにはなりませんでしたが、1967年に緑川アコや沢たまきによってカバーされたことで、広く知られるようになりました。この曲は、エキゾチックな雰囲気と哀愁を帯びたメロディーで、多くの人々に愛されました。

歌手を引退した後は、観光バスガイドの指導を10年間務め、晩年は自宅でカラオケ教室を開講するなど、後進の育成にも尽力しました。また、昭和40年代の懐メロブームの際には、東京12チャンネル（現在のテレビ東京）の番組「なつかしの歌声」に度々出演し、『カスバの女』を披露しました。亡くなる前年の1986年には、日本[[歌手協会]]主催の歌謡祭にも出演し、その歌声を披露しました。

1987年3月13日、東京都世田谷区の長谷川病院にて、大動脈瘤破裂のため71歳でその生涯を閉じました。エト邦枝は、その歌声と情熱的なパフォーマンスで、昭和歌謡史にその名を刻みました。彼女の歌は今もなお、多くの人々に愛され続けています。

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