時をかける少女 (1983年の映画)

時をかける少女 (1983年の映画)

『時をかける少女』は、1983年に公開された大林宣彦監督による日本映画。筒井康隆のジュブナイルSF小説『時をかける少女』を原作とし、原田知世が初主演を務めました。尾道三部作の一つとして知られ、広島県尾道市を中心にロケが行われました。

ストーリー

高校生の芳山和子は、理科室で実験中に不思議な体験をし、時間を移動する能力「タイムリープ」を手に入れます。幼馴染の深町一夫と堀川吾朗との関係、繰り返される出来事、そして一夫の正体。和子は戸惑いながらも、自分の身に起きた出来事と向き合っていきます。

未来から来たという一夫は、植物の成分を求めて過去にやってきた薬学博士でした。彼は和子や吾朗の記憶を操作し、自身を老夫婦の孫として存在させていました。しかし、未来に帰る日が近づき、一夫は関わった人々の記憶を消さなければなりません。和子は一夫との別れを悲しみ、共に未来へ行くことを願いますが、それは許されませんでした。

11年後、和子は薬学研究者となり、偶然研究室で一夫と再会します。しかし、彼は和子のことを覚えていませんでした。それでも二人は確かに惹かれあい、未来への希望を感じさせるラストシーンで物語は幕を閉じます。

キャスト

芳山和子：原田知世
深町一夫：高柳良一
堀川吾朗：尾美としのり

映画の特徴

尾道
ロケ地の多くは広島県尾道市で行われ、ノスタルジックな風景が映画の雰囲気を高めています。尾道の街並みや自然が、少女の心の揺れ動きとシンクロし、独特の世界観を生み出しています。

大林マジック
大林宣彦監督独特の映像表現が満載。コマ撮り、アニメーション、合成、多重露光など、様々な技法を駆使し、幻想的で美しい映像を作り上げています。また、大林監督は、原作のSF的な要素を省き、純文学的な恋愛映画として本作を捉えました。

音楽
松任谷由実が作詞・作曲した主題歌「時をかける少女」は、映画とともに大ヒット。原田知世の透明感のある歌声が、映画の切ない雰囲気を盛り上げています。

評価と影響

『時をかける少女』は、公開当時、多くの観客を魅了し、その後の映像化作品に大きな影響を与えました。ノスタルジックな映像美、青春の切なさ、そして未来への希望が融合した本作は、時代を超えて愛される名作として、今も多くの人々の心に残り続けています。青春映画とSFを融合させた作品として、その後の日本映画に大きな影響を与えました。

スタッフ

監督：大林宣彦
原作：筒井康隆
脚本：剣持亘
音楽：松任谷正隆
* 製作：角川春樹事務所

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