暖秋

暖秋とは？

平年（1991～2020年の平均）と比べて気温の高い秋を「暖秋（だんしゅう）」といいます。気象庁の3階級表現では、9～11月の平均気温が「高い」と判断された場合に暖秋と分類されます。近年、日本全国で暖秋となる年が増加傾向にあり、特に10月を中心に顕著な高温となるケースが目立ちます。例えば、2018年は全国的に10月が非常に高温でした。

暖秋の原因

暖秋が発生しやすい気象条件としては、以下の点が挙げられます。

太平洋高気圧の勢力: 秋になっても、日本の南に位置する太平洋高気圧の勢力が強いと、暖かい空気が日本に流れ込みやすくなり、気温が高くなります。
寒気の弱さ: 晩秋（11月）になっても寒気が弱いと、気温が下がりづらく暖秋となります。
* 偏西風の蛇行: 偏西風の蛇行が弱い場合、寒気が日本に流れ込みにくくなり、暖秋につながります。

しかし、夏の気温と秋の気温は必ずしも関連性があるわけではありません。冷夏だった年にも暖秋が訪れたり、猛暑だった年にも寒秋となる場合もあります。例えば、1977年、1998年、2003年、2009年は冷夏でしたが暖秋となり、1978年、1984年、1996年、2001年、2015年は猛暑でしたが寒秋でした。

暖秋は、早秋（特に9月前半）に厳しい残暑を伴うことが多く、紅葉の遅れにもつながります。近年、特に1998年以降、暖秋となる頻度が高まっているのは、上記の気象条件に加え、地球温暖化や気候変動などの影響も考えられます。

暖秋の発生頻度

日本の暖秋の発生頻度は、戦後（特に1998年以降）に著しく増加しており、戦前は非常に少なかったことが分かります。戦後においても、昭和時代までは年代による発生頻度の差が大きく、明確な周期性は見られませんでした。1962年から1974年の15年間は、どの地域でも平年を上回る秋はありませんでした。

しかし、平成以降は暖秋となる年が増え、特に1998年以降は、2001年、2002年、2014年、2015年、2017年を除き、顕著な暖秋が続いているのが現状です。

多くの暖秋では、特定の月の気温が平年を1℃以上上回ることがあります。例えば、1998年10月、1999年9月、2003年・2004年11月、2005年9月・10月、2006年11月、2007年9月、2010年9月、2011年11月、2012年9月などです。秋全体では、1999年と2011年が最も暖かく、2012年は北日本では平年より1.7℃も高く、9月だけ見ると3.7℃も高くなりました。

ラニーニャ現象が発生した年は、暖秋になりやすい傾向が見られますが、必ずしもそうとは限りません。1999年、2005年、2007年、2010年、2011年、2016年、2020年、2022年はラニーニャ現象発生年で暖秋となりましたが、1955年、1964年、1967年、1971年、1973年、1984年、1988年、2017年はラニーニャ現象発生年にも関わらず、寒秋となりました。また、ラニーニャ現象が発生していない年やエルニーニョ現象発生年でも暖秋となることがあります。

過去（戦後）の主な暖秋事例

ここでは、戦後日本の主な暖秋事例をいくつか紹介します。それぞれの年で、残暑の厳しさ、気温の高低、気象災害、その他の特筆すべき事象などを記述します。具体的な記述は省略しますが、各年において、記録的な高温や残暑、それに伴う気象災害などが発生していたケースが多数あります。例として、1998年は冷夏でしたが、9月中旬から太平洋高気圧が強まり、記録的な残暑と暖秋となりました。1999年は東日本以西で記録的な残暑に見舞われ、東日本では観測史上1位の暖秋となりました。2003年から2007年は5年連続で顕著な暖秋となり、西日本では戦後1位の暖秋記録を更新しました。これらの年は、それぞれ特徴的な気象状況や災害、記録的な高温などが観測されています。

（詳細な各年ごとの説明は、本文量の関係上省略します。）

まとめ

暖秋は、近年の地球温暖化や気候変動と関連している可能性も指摘されています。今後も暖秋は増加する可能性があり、その影響への備えが重要です。気象庁の発表情報などを参考に、最新の気象情報を確認するようにしましょう。

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