暗黒街 (1956年の映画)

映画『暗黒街』について

『暗黒街』は、1956年に公開された山本嘉次郎監督によるモノクロの犯罪映画です。この作品は、菊島隆三の原案「力道山物語 怒濤の男」を基に、若尾徳平が脚本を手がけました。監督は、『愛の歴史』で知られる山本嘉次郎が務め、撮影は遠藤精一が担当しました。音楽は団伊玖磨が担当しています。

ストーリー

物語は、心臓病を患う暴力団の組長・古谷常次郎が、自身の引退祝いの席で倒れるところから始まります。古谷組の新人である庄司は、医者を呼びに行く途中で女医大生の河野由美子と出会います。庄司は、兄貴分として慕われる一方で、古参のテツと岡部からは疎まれていました。ある日、庄司は古谷の愛人である夏江と関係を持っているという噂が立ち、テツから詰問されます。金銭を要求された庄司は、古谷の命令で由美子を監禁しますが、夏江の嫉妬により銃で撃たれてしまいます。重傷を負った庄司の看病を命じられた由美子と共に監禁されますが、古谷が意識を失った隙に庄司は最後の力を振り絞って警察に通報します。その後、捜査主任の熊田が病院で療養中の庄司を訪れ、古谷組が解散したことを告げます。

キャスト

庄司隆夫：鶴田浩二
熊田捜査主任：三船敏郎
古谷恒次郎：志村喬
六郷の鉄：杉山昌三九
鈴木敬一：小泉博
岡部：宮口精二
土屋：岡豊
手塚：山田巳之助
松尾警部：桜井巨郎
銀行支店長：恩田清二郎
高見：堺左千夫
チンピラ：大村千吉
あんま：河崎堅男
河野弓子：青山京子
安達夏江：根岸明美
おたけ婆さん：小野松枝
おかみさん: 一万慈鶴恵
喫茶店の女：上野明美
古谷組の若い者: 津田光男, 手塚勝巳

スタッフ

製作：本木荘二郎
原案：菊島隆三
脚本：若尾徳平
監督：山本嘉次郎
撮影：遠藤精一
音楽：団伊玖磨
美術：阿久根巖
照明：西川鶴三
録音：藤縄正一

作品の特徴

『暗黒街』は、当時の社会情勢を背景に、暴力団の抗争や人間関係の複雑さを描いた作品です。鶴田浩二、三船敏郎、志村喬といった豪華キャストの演技も見どころです。また、山本嘉次郎監督の演出や、遠藤精一の撮影、団伊玖磨の音楽が、作品の雰囲気を盛り上げています。この映画は、欲望、裏切り、そして男たちの意地が交錯する、緊張感あふれる物語として、観る者を魅了します。

その他

この映画は、『奥様は大学生』と同時上映されました。

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