曾根駐屯地

曾根駐屯地の概要と歴史

曾根駐屯地（そねちゅうとんち、JGSDF Camp Sone）は、福岡県北九州市小倉南区に所在した陸上自衛隊の駐屯地です。かつては第11普通科連隊第2大隊、第17普通科連隊第2大隊、そして第4管区隊の偵察中隊などが駐屯していました。現在は、元の駐屯地跡地が小倉駐屯地の曽根訓練場として活用されています。

所在地と歴史的背景

曾根駐屯地の所在地は、福岡県北九州市小倉南区下吉田1丁目1−1です。この地は、戦前には大日本帝国陸軍の東京第二陸軍造兵廠の曾根製造所として機能しており、特に大久野島で製造された毒ガスがここで砲弾に装填されていました。このため、曾根製造所の名残として、敷地内に当時の遺構が残されています。

沿革

曾根駐屯地の歴史は、1950年に遡ります。12月5日に、東京陸軍造兵廠の跡地に警察予備隊の曾根訓練所が設立され、その後1951年に第4管区隊が組織されました。ここに曾根部隊を基盤とする第11連隊第2大隊が編成され、駐屯地の部隊長が任命されました。

その後の数年間で旧軍からの移駐や新編成が相次ぎ、1954年には第11連隊第2大隊が「第11普通科連隊第2大隊」として新たに命名されました。在籍した部隊は、陸上自衛隊内で移動が続き、1962年には駐屯地が廃止されました。この年には曾根分屯地に降格され、その後も1985年に完全廃止となりました。

訓練場としての利用

1966年には、曾根駐屯地の施設が残され、都市型戦闘訓練目的の曽根訓練場として活用されることになりました。また、2002年には「小倉自動車教習所」として、自衛隊内の車両教習にも使用されていました。

駐屯部隊の変遷

過去に曾根駐屯地で活躍していた部隊としては、第4管区隊の偵察中隊や衛生大隊、武器中隊が挙げられます。中でも偵察中隊は1951年に福岡駐屯地へ移駐し、その後さらに第4偵察戦闘大隊として再編されました。また、第11連隊第2大隊は1961年に普通科連隊の再編に伴い廃止され、部隊は他の連隊に分散されました。

アクセスの利便性

曾根駐屯地の立地は、交通の便も良いです。高速道路としては九州自動車道の小倉東ICや北九州高速1号線が近接しており、一般道も国道10号や県道が整備されています。鉄道では、JR九州の日豊本線の下曽根駅が利用可能で、さらに北九州港や北九州空港とも連携しています。これにより、都市からのアクセスも容易で、物流面でも重要な位置を占めています。

まとめ

曾根駐屯地は、福岡県北九州市における陸上自衛隊の重要な拠点のひとつでした。その歴史的な背景や変遷は、戦後の日本の安全保障政策や陸自の発展における重要な側面を示しています。廃止後も訓練場として利用され続け、現在においても自衛隊の活動の一環を成す場所として存在することが、その歴史の価値を語っています。

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