最上 (通報艦)

駆逐艦最上

「最上（もがみ）」は、日本海軍の通報艦で、その名前は山形県を流れる最上川に由来しています。これは淀型通報艦の2番艦であり、同型艦には「淀」が存在しました。

概要

この艦は1904年（明治37年）の臨時軍事費予算に基づいて建造され、当時の日本海軍では初めて蒸気タービン機関を搭載した艦です。また、長崎の造船所（当時の名称は「三菱造船所」）で作られた初の軍艦でもあります。就役後、「最上」は主に韓国や清の警備に従事し、第一次世界大戦以降は南シナ海や南洋諸島の警備にも携わりました。その後、シベリア出兵の際には沿海州方面の警備にも参加しましたが、1928年に除籍され、翌年廃船とされました。

艦型

「最上」の機関は、イギリスから輸入したタービンと長崎で製造されたボイラーを使用しています。ボイラーは宮原式缶で、両面大3基、同小3基を備えており、蒸気圧力は計画で200 psi、実際の測定値は160 psiに達しました。建造中には、石炭専焼から重油混焼装置への仕様変更も行われました。

主要な機関はパーソンズ式タービンで、本艦は日本海軍初の3軸艦となっています。低速時には低圧タービンのみを使用し、高速時には高圧タービンで生成した蒸気を低圧タービンに送る仕組みが採られました。その推進装置は3軸で、出力は実際には7,030 shp（約5,242 kW）を発揮しました。

兵装

「最上」の兵装は多岐にわたりました。40口径の安式4.7インチ砲が2門、3インチ砲が4門、さらに三八式二号水上発射管が2門装備されています。また、75cm探照灯を2基搭載していました。1911年には加熱装置付きの三八式二号魚雷を搭載しており、1920年頃には麻式6.5mm機砲も装備しました。

艦歴

「最上」の建造は1905年に、長崎三菱造船所で正式に決定され、その名前もこの時に内定されました。1907年には起工し、1908年に進水しました。進水後は佐世保へ移動し、兵器の装備作業が行われました。

艦は1911年から1914年にかけて韓国や清、そして南支那方面での警備任務を遂行しました。さらに、1914年には第一次世界大戦において日本海軍の一員としての役割を果たしました。

1916年から1917年にかけての機関総検査や修理を経て、1918年にはシンガポール派遣を行い、その後も任務に従事しました。特に1919年には南洋諸島の警備に向かい、活動を続けていました。

しかし1921年には艦隊編入がなされず、最後に1928年に除籍、廃艦となりました。その後、廃船処理が行われ、艦の一部は大阪の帝国在郷軍人会へ無償譲渡され、保存され続けましたが、2009年に解体される運命をたどりました。

艦長

当艦の艦長には、多くの中佐が就任し、彼らの指導のもと艦は様々な任務を遂行しました。艦長の履歴は、艦の活動を反映した重要な記録となっています。

結論

日本海軍の通報艦「最上」は、その先進的な機関と様々な任務への従事を通じて日本の海軍力向上に寄与しました。多くの歴史的任務を完了し、その後の解体までの過程は、日本海軍の発展の一端を担ったと言えるでしょう。

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