月刊空手道

月刊空手道の歴史

月刊空手道は、空手道に特化した専門雑誌として、1956年から発刊されてきました。この雑誌は、発刊当初から空手のさまざまな流派に関する情報を提供し、空手に対する深い理解と興味を持つ人々にとって貴重な資料となりました。

空手時報社版の登場

月刊空手道の最初の版は、1956年に金城裕によって空手時報社から発刊されました。金城は、韓武舘の出版部で活動していた経験を持ち、尹曦炳らとともに機関紙「からて」を制作していましたが、尹の帰国後、彼がその活動を受け継ぐ形で流派を越えた雑誌を立ち上げることにしたのです。この新しい雑誌は、空手総合誌としてのスタンスを持ち、創刊号には著名な空手家が多数フィーチャーされていました。具体的には、船越義珍や遠山寛賢、大塚博紀、蔡長庚、山口剛玄など、空手界で著名な人物が記事に登場し、巻末には金城と大山倍達との対談も掲載されました。

空手時報社版はその後、絶版となりましたが、1997年には榕樹書林から合本完全版が復刻され、その存在が再び注目を浴びました。この復刻版は、多くの空手愛好者や研究者にとって、貴重な資料として再評価されています。

福昌堂版の始まり

1977年、月刊空手道は空手時報社版を受け継ぐ形で福昌堂から新たに創刊されました。この版は、当初は季刊誌として発行されていましたが、主に日本空手協会の機関誌としての役割を果たしました。そのため、創刊時には日本空手協会に関する情報が中心で、各流派や団体についての記事が多く取り上げられていました。

年月が経つにつれて、福昌堂版は空手の総合誌として成長し、流派やルールに関係なく幅広い情報を提供するようになりました。しかし、1985年には月刊フルコンタクトKARATEが姉妹紙として創刊されると、フルコンタクト空手やグローブ空手に関する情報はそちらに引き継がれ、月刊空手道は伝統派空手、防具付き空手、あるいは琉球古武道などに焦点を当てるようになりました。

最終号とその後

2015年、月刊空手道と月刊フルコンタクトKARATEは統合され、「月刊空手道＆フルコンタクト」として新たにスタートしました。しかし、発行元である福昌堂は2016年1月に破産手続が開始され、この新しい雑誌も2016年2月号を最後に発行を終了してしまいました。フルコンタクト空手や伝統派空手の両方に魅力を持つ読者にとって、この雑誌の終焉は大きな衝撃でした。

福昌堂の破産管財人は、月刊空手道＆フルコンタクトのバックナンバーの取り扱いについて検討すると伝えています。今後、この雑誌の歴史や貴重な情報がどのように扱われていくのか、空手界の多くの関係者が注目しています。

このように、月刊空手道は空手界の情報を提供し続け、数十年にわたる歴史を持つ重要な存在でした。今後も、その遺産は空手の愛好者や研究者にとって貴重なものとなり続けることでしょう。

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