月澄江

月澄江（つき すみえ）

月澄江は、1916年10月18日に埼玉県秩父郡秩父町に生まれた日本の女優です。本名は小林澄枝。1930年代から1960年代にかけて、映画、舞台、テレビドラマと幅広い分野で活躍しました。

生涯

初期

月澄江は、母の妹である女優・五月信子の影響を受け、芸能界への道を志します。秩父尋常小学校卒業後、五月信子・高橋義信夫妻が率いる「近代座」に参加し、舞台女優としてのキャリアをスタートさせました。

1933年には、京都の松竹下加茂撮影所に入社し、サイレント映画『上州土産百両首』で映画デビュー。尾上栄五郎の相手役を務めました。その後、新興キネマ現代部に移籍し、現代劇にも挑戦。1934年には、嵐寛寿郎プロダクションに招かれ、『鞍馬天狗』シリーズで嵐寛寿郎の相手役を演じました。

戦中・戦後

1935年、日活京都撮影所を経て、マキノ正博が設立したマキノトーキー製作所に入社。数多くのトーキー映画に出演し、人気を博しました。1937年に俳優の小林重四郎と結婚。同年、極東キネマに入社し、剣戟映画に出演しました。

第二次世界大戦中は、夫が召集されたため、自ら劇団「新女苑」を結成し、座長として舞台活動を続けました。戦後は、新派の「水谷八重子一座」に参加し、舞台女優として活躍する傍ら、テレビドラマにも出演しました。

引退後

1961年に引退。その後は家庭に入り、静かに過ごしました。夫の小林重四郎は1996年に亡くなりました。

主な出演作品

映画

上州土産百両首（1933年）
娘と学生と職人（1934年）
鞍馬天狗シリーズ（1934年 - 1935年）
右門捕物帖 七化け大名（1935年）
千両礫（1935年）
封印半次郎（1935年）
弥太郎笠シリーズ（1936年）
本朝怪猫伝（1937年）
江戸の獅子王（1938年）

テレビドラマ

夫婦百景（1959年 - 1960年）
決定的瞬間（1961年）
芥川龍之介シリーズ（1961年）
人生の四季（1961年 - 1962年）

参考文献

マキノ雅裕『映画渡世 天の巻 - マキノ雅弘自伝』（平凡社、1977年 / 新装版、2002年）
キネマ旬報社『日本映画俳優全集・男優編』（1979年）
日外アソシエーツ『芸能人物事典 明治大正昭和』（1998年）

外部リンク

Sumie Tsuki - IMDb（英語）
月澄江 - 日本映画情報システム （文化庁）
月澄江 - 映連データベース （日本映画製作者連盟）
月澄江 - 東京国立近代美術館フィルムセンター
月澄江 - 日本映画データベース
月澄江 - allcinema

月澄江は、映画、舞台、テレビドラマと幅広い分野で活躍し、日本の芸能史にその名を刻んだ女優です。

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