有明駅 (長野県)

有明駅：北アルプスの玄関口としての歴史と現在

有明駅は、長野県安曇野市穂高北穂高に位置するJR東日本大糸線の駅です。駅番号は31番。標高約600mにあり、北アルプスの山々に囲まれた自然豊かな環境にあります。かつては多くの急行列車が停車するなど、北アルプスへの玄関口として賑わいを見せていました。しかし、時代の変化とともに、利用状況の変化や路線の再編もあり、現在の姿へと変遷を遂げています。この記事では、有明駅の長い歴史から現在の様子、そして周辺環境までを詳しく解説します。

歴史：急行列車の停車駅から現在へ

有明駅が開業したのは1915年（大正4年）。信濃鉄道の穂高駅 - 有明駅間の開通に伴い、旅客・貨物の取扱いを開始しました。その後、信濃鉄道の国有化（1937年）を経て、JR東日本へと受け継がれ、現在に至ります。

開業当初から、有明駅は重要な役割を担っていました。1980年代までは多くの急行列車が停車し、多くの乗客で賑わっていました。「アルプス」「つがいけ」「くろよん」といった急行列車は、有明駅に停車することで、北アルプスへのアクセスを向上させていました。しかし、時代の変化と共に、貨物取扱いの廃止（1982年）、荷物扱いの廃止と駅員無配置化（1983年）など、変化がありました。近年では、窓口営業時間の変更（2020年）や、ワンマン運転におけるドア全開化（2023年）といった変化も見られます。

駅構造と利用状況：島式ホームと木造駅舎

有明駅は、島式ホーム1面2線を持つ地上駅です。駅舎とホームは構内踏切で連絡しており、かつては単式ホームも存在していました。現在もその跡が残されています。木造駅舎は、歴史を感じさせる趣のあるたたずまいです。

豊科駅の管理下にあり、簡易委託駅として安曇野市に駅業務が委託されています。2023年度の1日平均乗車人員は約204人です。近年は減少傾向にあるものの、観光シーズンなどには多くの利用者が訪れます。松本駅から有明駅を始発・終点とする列車や、松本駅から車掌乗務で、当駅以北がワンマン運転となる列車も運行されています。

駅周辺：かつての賑わいから現在へ

有明駅の東口駅前には、国道147号沿いに住宅や商店が立ち並んでいます。かつては商店街が形成されていましたが、近年は閉店が相次いでいます。かつては夜行急行列車も停車し、北アルプス燕岳への登山口である中房温泉へのアクセス拠点として賑わっていました。しかし、中房温泉へのバスターミナルが穂高駅に移転したことで、長距離列車の停車もなくなりました。

駅周辺には、穂高川（別名：乳房川）、かじかの里公園、県道441号（あづみ野やまびこ自転車道）、国道147号、あづみ農業協同組合北穂高ふれあいセンター、デンソーエアクール本社、高瀬川、安曇野市立穂高北小学校、曽根原家住宅などがあります。

バス路線と駅名について

池田町営バスが駅前に乗り入れており、あづみ病院や穂高駅方面への路線が運行されています。

駅名は「有明」ですが、地籍は北穂高です。有明地区は駅から西へ約2kmの場所に位置しています。駅名の由来については、有明山にちなんで名付けられたとする説や、有明地区への入口を意味しているとする説があります。

隣の駅

大糸線：穂高駅 - 有明駅 - 安曇追分駅

まとめ

有明駅は、北アルプスの玄関口としての歴史と、近年の変化を象徴する駅です。かつての賑わいから、現在の静けさへと移り変わっていますが、木造駅舎や周辺の自然環境は、多くの人の心を掴んでいます。今後も、地域住民の生活と観光の拠点として、その役割を担っていくことでしょう。

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