有珠善光寺

有珠善光寺

有珠善光寺は、北海道伊達市に位置する寺院で、「善光寺跡」として国の史跡に指定されています。春には桜、ツツジ、アジサイ、牡丹などが咲き誇り、「花の寺」として知られています。秋には大銀杏をはじめとする紅葉も楽しむことができます。

歴史

伝承によれば、有珠善光寺は平安時代の天長3年（826年）に、比叡山の僧であった円仁（慈覚大師）によって開基されました。円仁が胆振国有珠郡に堂宇を建て、自ら彫った本尊阿弥陀如来を安置したのが始まりとされています。

その後、1613年（慶長18年）には、松前藩の藩主である松前慶広が如来堂を再興し、阿弥陀如来像を安置して「善光寺」と称しました。

江戸時代には、松前藩の庇護を受け、蝦夷地における仏教の中心地の一つとして発展しました。1804年（文化元年）には、徳川家斉が善光寺を含む蝦夷地内の3か寺を官寺に定めました（通称「蝦夷三官寺」）。

明治時代以降も、地域の信仰の中心として存続し、現在に至っています。

近年の主な出来事

1950年（昭和25年）：境内が北海道指定史跡となる。
1974年（昭和49年）：境内が国の史跡に指定。
2005年（平成17年）：版木・経典・文書・器物など62点が「蝦夷三官寺善光寺関係資料」として国の重要文化財に指定。
2018年（平成30年）：北海道遺産に選定。

境内

本堂
客殿（旧庫裡）
地蔵堂
鐘楼
納骨堂
宝物館: 有料で完全予約制。寺宝を展示。
龍神堂

行事

有珠善光寺では、年間を通じて様々な行事が行われています。

1月1日：元朝参り
2月3日：節分厄除星祭り祈願祭
4月8日：春の龍神祭
4月中旬：御忌法要
7月23日・24日：延命地蔵盆祭
8月：盂蘭盆会
8月28日：洞爺中島観音（円空仏）並・弁天祭
9月17日：豊浦小幌岩屋観音祭
9月22日・23日・24日：彼岸・施餓鬼会
10月20日：十夜法要
11月8日：秋の龍神祭
12月31日：除夜の鐘

文化財

重要文化財（国指定）
蝦夷三官寺善光寺関係資料 62点
北海道指定有形文化財
釈迦如来立像
円空作仏像聖観音像
伊達市指定記念物
三本杉
イチョウ
石割桜

善光寺自然公園

有珠善光寺の境内の裏山は自然公園として整備されており、1,000本を超えるサクラやミズナラ、カシワなどの木々、四季折々の花々を楽しむことができます。

交通

道南バス：「善光寺前」バス停下車徒歩5分
JR北海道：有珠駅から徒歩約20分
* JR洞爺駅からタクシーで１０分

有珠善光寺は、歴史と文化、自然が調和した魅力的な寺院です。ぜひ一度、足を運んでみてください。

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