有田洋之

有田 洋之（ありた ひろゆき）は、日本の男性声優、ナレーター、そして俳優として、多岐にわたる表現活動を展開する人物です。1971年9月20日、大阪府大阪市に生まれ、現在は株式会社タカラの代表取締役も務めています。

経歴

大阪学院大学を卒業後、1990年代には大阪テレビタレントビューロー（TTB）に所属し、そのキャリアをスタートさせました。声優としては、ビデオゲームにおけるキャラクターボイスを中心に活動。また、ナレーターとしては、在阪のテレビ局が制作する多種多様な番組で、深みのある、あるいは時には軽妙な語りを担当しました。さらに、日々の生活に密接に関わる公共交通機関の分野でも、鉄道駅の自動放送アナウンスを数多く手掛けるなど、その声は多くの人々に届けられています。
長年にわたり表現者としての経験を積んだ後、2017年には独立という大きな節目を迎えます。この独立と同時に、祖父が創業し、長年営んできた「宝運輸」という企業を引き継ぐこととなりました。有田氏はこれを機に、企業の名称を「タカラ」と改め、同時に、これまで培ってきた知見とネットワークを活かし、タレントマネジメントを行うプロダクション事業を開始しました。表現の第一線で活躍し続ける傍ら、経営者として新たな道を切り開いています。

人物像

多彩な活動を支える有田氏の趣味は、楽器演奏（サックスやギター）、芝居、そしてお酒を楽しむこと。表現者らしい感性と、人生を豊かに楽しむ一面を覗かせます。また、柔道初段の段位を所持しており、意外な一面も持ち合わせています。資格としては、普通自動車免許も取得しています。

主な活動実績

有田氏はこれまで、様々なメディアでその声や演技を披露してきました。特にゲーム分野では、国内外で絶大な人気を誇る格闘ゲームシリーズに欠かせない存在として知られています。『ザ・キング・オブ・ファイターズ』シリーズでは、個性豊かなキャラクターであるチャン・コーハンやズィルバー、ゲーマント、ネオ&ジオといった複数キャラクターの声を担当。また、『CAPCOM VS. SNK 2 MILLIONAIRE FIGHTING 2001』にもチャン・コーハン役で出演しています。『リアルバウト餓狼伝説スペシャル』ではローレンス・ブラッド、『サムライスピリッツ 斬紅郎無双剣』では強烈な印象を残す壬無月斬紅郎、『武力 〜BURIKI ONE〜』ではイワン・ソロコフやズィルバーを担当するなど、多くの格闘ゲームファンにその声は馴染み深いでしょう。
テレビ番組においては、読売テレビの『大阪ら・ら・ら』や『かんさい情報ネットten.』、朝日放送の『ナイトinナイト ナンバ壱番館』など、関西圏を中心に情報番組やバラエティ番組でナレーションを担当。全国ネットでは、夏の風物詩である『熱闘甲子園』（2016年）にも参加しています。その他、RCV京都の『三関王』など、多岐にわたる番組で活躍しています。
ラジオではFM802の『FUNKY SPORTS』や、ラジオ大阪のオープニングアナウンスも担当。CMナレーションとしては、産業経済新聞、大阪ガス、点天、ミズノ、池田泉州銀行、伯方塩業の「伯方の塩」、小林製薬の「タフグリップクッション」、サカイ引越センター、阪神タイガース関連など、業種を問わず数多くの広告でその声を聞くことができます。
俳優としては、映画にも出演しており、『パンチメン』（2013年）、『ストロボライト』（2013年）に出演。近年では『泥の子と狭い家の物語』（2022年）で内田幸男役を演じています。
特に公共交通機関のアナウンスは、有田氏の活動分野の中でも重要な位置を占めます。仙台市地下鉄南北線、JR東日本の一部路線（外房線など）の駅自動放送、大阪市営地下鉄（現在のOsaka Metro）、近畿日本鉄道の特急や一般列車の車内自動放送（一部路線を除く）、奈良交通のバス車内アナウンスなど、広範囲にわたり、人々の日常の移動をサポートする声を担当しています。
これら以外にも、遊園地の施設音声（ひらかたパーク「ノームのなかまたち」トランプ役）、美術館の日本語音声案内（シンガポール国立美術館）、さらにはスポーツイベントの盛り上げ役としてヴィッセル神戸のスタジアムDJを務めるなど、その活動領域は非常に広範にわたります。

まとめ

声優、ナレーター、俳優として確固たるキャリアを築きながら、株式会社タカラの代表取締役としてタレントプロダクション事業も手掛ける有田洋之氏。多角的な才能と経営手腕を兼ね備え、表現の世界とビジネスの世界の双方で、精力的に活動を続けています。

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