有馬頼萬

有馬頼萬（ありま よりつむ）

有馬頼萬は、元治元年（1864年）に久留米藩最後の藩主・有馬頼咸の子として生まれました。幼名は和之助と称しました。

生涯

明治10年（1877年）、兄・頼匡の病により家督を継承し、従五位に叙せられます。明治17年（1884年）には宮内省に出仕し、伯爵の爵位を授与されました。その後、宮内省を辞し、義兄である小松宮彰仁親王とともに欧米を訪問しています。

明治24年（1891年）には、大久保利通が主導した安積開拓において、久留米藩の処分者たちが中心となって組織した久留米開墾社を支援しました。開墾成功式にも出席し、その労をねぎらっています。

明治39年（1906年）には、有馬家育英部を設置し、初代総裁に就任。石橋正二郎や石井光次郎といった人材を輩出しました。戦後には、有馬頼義とともに有馬育英会として再興に尽力しています。

大正7年（1918年）には従二位に昇叙。昭和2年（1927年）に64歳で逝去し、墓所は東京都渋谷区の祥雲寺にあります。

栄典

1884年（明治17年）7月7日 - 伯爵
1897年（明治30年）6月30日 - 勲四等瑞宝章
1918年（大正7年）7月10日 - 従二位

家族

父：有馬頼咸（久留米藩第11代藩主）
嫡母：韶子（有栖川宮韶仁親王の娘）
生母：金田ミヨ
兄弟姉妹：頼子（小松宮彰仁親王妃）、千代（久我通久室）など多数
妻：恒子（岩倉具視五女）、豊子（戸田忠友長女）
子女：頼寧（第15代当主）、禎子（奥平昌恭夫人）など

有馬頼萬は、華族として社会に貢献する一方で、育英事業にも力を注ぎ、多くの人材育成に貢献しました。その功績は、有馬育英会として今も受け継がれています。

参考文献

鈴木しづ子「士族授産の政治的側面について : 国営安積開墾における久留米および高知士族入植の事情」『行政社会論集』第8巻第1号、福島大学、1995年
篠原正一『久留米人物誌』（久留米人物誌刊行委員会、1981年）
霞会館華族家系大成編輯委員会『平成新修旧華族家系大成』（霞会館、1996年）
後藤致人 『昭和天皇と近現代日本』(2003年)
伊藤真希 『華族の家庭教育--有馬伯爵家を中心として』 （2009年）

外部リンク

* 有馬育英会 - 頼萬が初代総裁を務めた育英部の後身。

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