有馬頼貴

有馬 頼貴（ありま よりたか）

有馬頼貴は、筑後久留米藩の第8代藩主であり、藩の文運興隆に貢献した重要な人物です。彼は久留米藩有馬家の9代目として、さまざまな業績を残しました。藩校の明善堂を創設し、教育制度の向上に尽力する一方で、犬や相撲などの趣味に情熱を注いだことでも知られています。

生涯

延享3年（1746年）4月2日、有馬頼貴は第7代藩主・有馬頼徸の長男として生を受けました。彼は若い頃から将軍徳川家重をはじめとする多くの公家との関係を築き、初めての謁見を宝暦8年（1758年）に果たします。従四位下や上総介に任官されたことで、政治家としての基盤が築かれました。

天明3年（1783年）に父が亡くなると、頼貴は翌年天明4年（1784年）1月23日に藩主としての家督を継承しました。この時期、久留米藩は財政難に悩まされていましたが、頼貴は相撲を好み、多くの力士を招いて興行を行い、自らの趣味に広告していました。また、犬に対する情熱もあって日本国内にとどまらず、オランダからも犬を輸入するなど、部費がかさむ一因となりました。これにより、彼は家臣の俸禄を削減し、侍を減らして対策を講じていましたが、財政難の解消には至らず、幕府からの支出も加わり、状況は厳しいものでした。

とはいえ、情熱をもって教育の重要性を認識し、寛政8年（1796年）には藩校の明善堂を設立されました。これは藩士たちの教育振興を目指したものであり、彼の功績の一環です。文化元年（1804年）には左少将に昇任するなど、彼の地位も安定していきました。しかし、文化9年（1812年）2月3日に67歳で亡くなり、その後は嫡子である三男・頼端が藩主となりましたが、彼も早世しました。そのため、頼貴の長男である頼徳が藩主となることになりました。

家族・親族

有馬頼貴の正室は長州藩主・毛利重就の娘である勢代で、彼女は明和5年（1768年）に輿入れましたが、子供を授かることなく安永4年（1775年）にこの世を去りました。

頼貴には10人の側室があり、多くの子供が生まれ、その数は男子と女子合わせて25名に達しました。最初の男子である安次郎は安永4年に生まれましたが、わずか2年で命を落としました。『寛政重修諸家譜』には多くの子女の記録がありますが、その中には特に有馬頼董、有馬頼善、有馬頼端といった名が見受けられます。但し、頼貴の長男であった頼董が早世したため、二男・頼善が本来の嫡子となるも、後に廃嫡され、最終的には三男・頼端が跡を継ぐ形となりました。

このように、有馬頼貴は多くの業績を残した一方で、彼の人生は家族や藩の運営の困難と共にあったことがわかります。各種の教育事業や趣味への情熱が、藩の歴史に重要な影響を与えることとなったのです。

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