朝鮮文化建設中央協議会

朝鮮文化建設中央協議会の創立と歴史

朝鮮文化建設中央協議会（略称：文建）は、1945年8月16日に太平洋戦争の終息を受けて設立された団体であり、当時の連合軍軍政地域であるソウルにおいて創設されました。この団体は、戦後の朝鮮における文化的復興を目的として、文学や音楽、美術、映画など様々な芸術分野からなる連合として機能し始めました。設立者である林和と金南天は、朝鮮文学建設本部を結成し、それを基に他の団体と協力しながらこの協議会を発展させていきました。特に彼らは、朝鮮プロレタリア芸術家同盟（KAPF）などの左翼的な創作グループからの影響を受けた人物であり、彼ら自身が会長と書記長としてこの団体を牽引していきました。

当初、この協議会は左派的な構成を持っていましたが、時代背景としては、特に過渡期だったためにその左翼的色合いは控えめでした。しかしながら、様々な作家たちが参加し、右翼の作家とも連携しながら多様な文化活動を行うことを目指していました。そのため、協議会の運営は多様な意見や立場を受け入れ、最基本的な目標として朝鮮文化の健全な復興に力を注いでいました。

解体の経緯

しかし、時間が経つにつれ、協議会内での対立が明らかになっていきます。上記のように、多様なメンバー構成を持ち、右翼の芸術家たちも参加していたため、特に強硬な左翼派は次第にその存在に対する不満を募らせるようになりました。特に市街行進に参加した著名な右翼画家である高羲東との連携が問題視され、左派の強硬派が議論を巻き起こしました。結果として、朝鮮文学建設本部からは、以前のKAPFの主要メンバーたちである宋影や李箕永が脱退し、新たに朝鮮プロレタリア文学同盟を設立しました。

この動きに追随して、朝鮮プロレタリア文学同盟は瞬時にして他の芸術分野、すなわち音楽、美術、演劇、映画といった領域でも新たな同盟を結成し、相対的に朝鮮文化建設中央協議会との対抗組織を形成しました。その結果、当団体は多くの右派や左派の文筆家たちとも対立することになり、内部の結束を維持するのが困難になっていきました。

このような状況は、朝鮮共産党も憂慮するところであり、両方の団体間での統合を支持しました。運命の12月13日、延安から帰国した国文学者金台俊の下で最終的な統合が行われ、朝鮮文化建設中央協議会と朝鮮プロレタリア文学同盟は合併し、 新たに朝鮮文学同盟が誕生することとなりました。

このように、朝鮮文化建設中央協議会の歴史は、設立時の希望や課題から内部分裂、再統合といった複雑な過程を経て、朝鮮の文化界において重要な役割を果たすことになったのです。

もう一度検索