朝鮮総督府中枢院

朝鮮総督府中枢院について

朝鮮総督府中枢院は、1910年10月1日に施行された「朝鮮総督府中枢院官制」により設置された、日本統治下の朝鮮における総督府の諮問機関です。前身は大韓帝国時代の皇帝諮問機関であった大韓帝国中枢院です。

設立と組織

1910年9月30日に公布された勅令に基づき、同年10月1日に正式に発足しました。同年12月には議事規則が、1918年には事務分掌規程が定められ、組織としての体制が整えられました。

中枢院の議長は、政務総監が兼任しました。設立当初は、副議長に金允植が、顧問には李完用、朴斉純、高永喜、趙重応、李址鎔、権重顕、李夏栄、李根沢、宋秉畯、任善準、李載崑、李根湘、李容稙、趙羲淵らが任命されました。これらの役職は、親任待遇または勅任官相当とされ、当時の朝鮮における有力者が名を連ねました。

また、実務を担う役職として、参議（勅任官または奏任官相当）、書記官長（勅任官）、そして複数の書記官が置かれました。

親日派問題

2002年に発表された親日派708人名簿や、2005年に民族問題研究所が作成した親日人名辞書収録予定者名簿には、中枢院関係者が多数含まれています。親日人名辞書収録予定者名簿には、335人の中枢院関連者が選定されており、その活動が親日行為とみなされた人々が多くいたことがわかります。

書記官長

中枢院の事務を統括する書記官長は、以下の人物が務めました。多くは内務局長や司政局長との兼任でした。

国分象太郎
小松緑：不詳 - 1916年10月30日
（事務取扱）秋山雅之介：1916年11月4日 -
関屋貞三郎：1917年10月8日 - 1919年8月20日
（兼）大塚常三郎：1919年8月20日 -
松永武吉：1919年9月26日 -
小田幹治郎：1922年9月30日 - 1923年3月29日
長野幹（学務局長の兼任）
生田清三郎（内務局長の兼任）
今村武志（内務局長の兼任）
牛島省三（内務局長の兼任）
大竹十郎（内務局長の兼任）
上滝基（内務局長の兼任）
鈴川寿男（司政局長の兼任）
* 新貝肇（司政局長の兼任）

まとめ

朝鮮総督府中枢院は、日本統治下の朝鮮において、総督府の諮問機関として重要な役割を担いました。しかし、その構成員には親日派とみなされる人物が多く含まれており、その歴史的評価は複雑です。

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