木曽川橋梁 (関西本線)

JR関西本線が、愛知県弥富市と三重県桑名市の境界付近で雄大な木曽川を渡る地点に架かるのが、この木曽川橋梁です。具体的には、関西本線の長島駅と弥富駅の間に位置する重要な鉄道構造物であり、この地域の交通ネットワークを支える基盤の一つとなっています。

歴史

木曽川に初めて鉄道橋が架けられたのは、1895年（明治28年）のことです。これは当時の私鉄、関西鉄道によって建設された初代の木曽川橋梁で、全長は865メートルに及ぶ堂々たる橋でした。建設からわずか十数年後の1907年（明治40年）10月1日には、国による鉄道事業の統合政策の一環として関西鉄道が国有化され、この初代橋梁も国有鉄道、後のJR関西本線の一部となりました。

時代は下り、鉄道輸送量の増加などに対応するため、1928年（昭和3年）には2代目の木曽川橋梁が新たに完成し、供用を開始しました。これにより初代橋梁は鉄道橋としての現役を引退しましたが、その構造が優れていたためか、すぐに解体されることはありませんでした。その後、初代橋梁は伊勢電気鉄道（現在の近鉄名古屋線の一部を形成した会社）に払い下げられることになります。伊勢電気鉄道はこれを改修し、1938年（昭和13年）から1959年（昭和34年）にかけて、近鉄名古屋線の木曽川橋梁として再び列車を渡す役割を担いました。

そして現在、JR関西本線の列車が日々安全に木曽川を渡るために使用されているのは、1976年（昭和51年）に完成した3代目となる木曽川橋梁です。

現在の橋梁

現在の3代目木曽川橋梁は、1976年（昭和51年）に建設されました。橋の総延長は854.0メートルあり、上下線それぞれに対応した複線構造となっています。採用されている構造形式は、シンプルながら強度に優れた単純トラス橋です。この橋梁が渡る区間は、三重県桑名市長島町押付から愛知県弥富市小島町に至ります。

地理的位置

木曽川の下流域に位置するJR関西本線木曽川橋梁の周辺には、多くの橋梁や渡船場が存在します。河口側（下流）から上流へ向かって見ていくと、以下のようになります。

• - 湾岸木曽川橋（伊勢湾岸自動車道）
• - 木曽川大橋（国道23号（名四国道））
• - 尾張大橋
• - 木曽川橋梁（近鉄名古屋線）
• - 木曽川橋梁（JR関西本線）
• - 木曽川橋（東名阪自動車道）
• - 木曽川水管橋
• - 立田大橋
• - 葛木渡船（渡船場）
• - 日原渡船（渡船場）
• - 東海大橋

このように、JR関西本線木曽川橋梁は、木曽川を横断する多様な交通ルートの一つとして、この地域の経済活動や人々の移動を支える上で重要な役割を果たしています。その歴史は明治時代に始まり、三代にわたる橋梁がそれぞれの時代で木曽川を渡る鉄道輸送を担ってきました。現在の姿に至っています。

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