木村庄之助 (18代)

18代木村庄之助の生涯

18代木村庄之助（じゅうはちだい きむら しょうのすけ）は、1860年生まれで、1925年に亡くなった大相撲の立行司です。彼は石川県金沢市の出身で、本名は浅野甚太郎です。そのキャリアの中で、庄之助としての在位は大正11年から大正14年までの約3年間にわたり、数々の名勝負を見守りました。

若き日の庄之助

庄之助は初めて濱風今右衞門（初代濱風）の弟子として相撲界に足を踏み入れると、1882年5月に「木村甚馬」の名で初土俵を経験しました。その後、名前を何度か変えながら1885年には「木村朝之介」と名乗り、大正10年（1921年）まで三役として活躍しました。彼の相撲に対する情熱は、常に周囲に認められました。特に彼の裁きは高く評価されていました。

庄之助襲名の経緯

しかし、朝之助にとって最大の苦難は、大正10年5月場所での事件でした。その日、彼は横綱大錦と前頭筆頭三杦磯の取組を裁くことになりましたが、仕切りが長引きすぎ、54分経過後の両者立ち合いが問題となります。廻しが緩んでいると判断し、再度の仕切りを促しましたが、実際には緩んでおらず、取組が混乱を引き起こしてしまいました。この結果、いくつもの異なる意見が乱れ飛び、協議が50分以上続くという異常事態に発展しました。

この事件は行司史上前代未聞のものであり、朝之助は進退伺いを提出する事態に至りました。しかし、翌日から千秋楽まで出場停止の処分が下されながらも、運命が待っていました。17代庄之助が突如廃業し、12代伊之助が引退したため、空席となった立行司の地位が急遽朝之介に与えられることになり、彼は18代木村庄之助を襲名しました。こうして、彼は不幸な出来事から一転して首席行司となったのです。

18代庄之助としての活動

庄之助が立行司となった後、彼は1940年代初頭には、三河島事件での調停役を務めました。事件の中で、彼は横綱大錦たちとともに交渉にあたったものの、最終的には結果を出すことができず、警視総監の出馬を求める事態にまで至ります。

1925年に彼は巡業先の函館で脳溢血により急逝しました。彼の死は、当時の相撲界に大きな衝撃を与えました。享年66歳という生涯の中で、彼は江戸時代生まれ最後の立行司として名を刻んでいます。また、彼が退いた後には明治生まれの5代式守与太夫が昇格し、世代の変わり目を象徴する存在ともなりました。

結論

木村庄之助の人生は、相撲界の運命を叙述し、多くの人々に愛された行司としての姿を描いています。失態から華麗な復活を遂げたその経歴は、相撲を愛するすべての人々にとって、感慨深いエピソードとして語り継がれることでしょう。

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