木村庄之助 (25代)

25代木村庄之助の生涯

木村庄之助（本名：山田鈞吾）は、大相撲における立行司として有名であり、1909年9月1日に愛知県名古屋市で生まれました。彼の愛称である「夏ミカン庄之助」は、その独特な風貌に由来しています。彼の相撲界でのキャリアは1917年に始まり、初土俵を踏んだ際には行司名を木村金吾としていました。彼は粂川部屋、時津風部屋、中村部屋、そして二所ノ関部屋と、数回にわたり部屋を移籍しながら成長を続けました。

活躍の軌跡

木村庄之助は、1941年から幕内格、さらに1958年には三役格に昇進し、名実ともに実力派の行司として知られるようになりました。その後、1963年に立行司に昇格し、21代式守伊之助を襲名するなど、長い間相撲界の第一線で活躍しました。彼の裁いた名勝負には、1960年1月の大鵬と柏戸の対決や、1965年の優勝決定巴戦などがあります。

特に1960年の大鵬対柏戸戦では、庄之助の裁きが注目を集め、後の時代にも語り継がれる名勝負となりました。また、1968年には土俵際で発生したハプニングに遭遇し、試合を一時中断させるという珍しい体験もありました。

ストライキと退職

1971年、彼は大相撲史上初の行司によるストライキを主導しました。この行動は、日本相撲協会の改革案に対する不満から生じたもので、彼自身が行司最高責任者としてこの問題の中心にいました。ストライキの影響で、翌1972年の1月場所では物言いがついた取り組みに関与し、大きな論争を呼びました。この取り組みでは、貴ノ花と北の富士の勝負が特に注目され、5分間にわたる審議が行われました。

結果的に、裁定は北の富士の勝ちとなったものの、庄之助は貴ノ花の勝利を主張し続け、これが彼の退職へと繋がりました。彼はこの問題の責任を取る形で自ら辞表を提出し、昭和47年に大相撲界を去ります。

晩年と死去

退職後の木村庄之助はアパートの経営を行いながら静かな生活を送っていました。しかし、1991年2月に心不全により81歳でこの世を去ります。彼の死去は、大坂相撲の経験者として最後の相撲協会員の訃報としても知られています。

まとめ

木村庄之助の生涯は、彼の裁いた数々の名勝負と、相撲界での大きな影響力を持った立行司としての役割を象徴しています。また、彼の行動は、相撲界の改革や行司たちの立場を改めて考えるきっかけにもなりました。彼の存在は、相撲の歴史において忘れることのできない、一つの重要なページを形成しています。

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