木村時子

木村時子（きむら ときこ）

木村時子は、1896年3月12日に宮城県で生まれ、1962年11月13日に亡くなった日本の歌手、女優、声優です。本名は木村とき。

生い立ちと初期の活動

上京後、帝国劇場歌劇部の三期生となり、1915年にはジョヴァンニ・ヴィットーリオ・ローシー指導の歌劇『ボッカチオ』で初舞台を踏みました。その後、松井須磨子の「芸術座」にも参加するなど、初期からその才能を発揮していました。

1918年には笹本甲午と結婚。

『茶目子の一日』と浅草オペラ

1919年、佐々紅華が企画したオペレッタレコード『茶目子の一日』に「七声歌劇団」名義で参加し、主人公の茶目子役を演じました。この作品は、木村時子の代表作として知られています。

1920年には、根岸興行部の「金龍館」館主・根岸吉之助が結成した「根岸大歌劇団」に参加し、浅草オペラの舞台で活躍しました。しかし、1923年の関東大震災で浅草は壊滅的な被害を受け、浅草オペラも終焉を迎えました。根岸大歌劇団も1924年には解散しています。

「浅草の女王」として

1930年頃には「木村時子一座」を構え、浅草の音羽座などでレヴュー公演を行いました。同年には、後にあきれたぼういずで知られる川田晴久が入団しています。また、同年には「玉木座」で旗揚げした「プペ・ダンサント」の設立にも参加。古川緑波や水の江滝子らとともに舞台に立ち、「浅草の女王」と呼ばれるようになりました。

1935年には、サイレント映画『彦左と九馬』に出演。これは、阪東妻三郎プロダクション関東撮影所（後の谷津遊園）の最後の作品となりました。

戦後の活動

第二次世界大戦後には声優としても活動。1954年には、出演していたNHKラジオドラマ『ウッカリ夫人とチャッカリ夫人』の映画化作品にも出演しています。

1962年11月13日、66歳でその生涯を閉じました。

長男の嵐は産経時事の記者として活躍しました。

ディスコグラフィ

『茶目子の一日』（1919年）
『毬ちゃんの繪本』（1919年）

フィルモグラフィ

『彦左と九馬』（1935年）
『ウッカリ夫人とチャッカリ夫人 やりくり算段の巻』（1954年）
『その後のウッカリ夫人とチャッカリ夫人』（1954年）

関連事項

ジョヴァンニ・ヴィットーリオ・ローシー
浅草オペラ
根岸大歌劇団
金龍館

外部リンク

木村時子 - 日本映画データベース

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