粟鹿神社

粟鹿神社について

粟鹿神社（あわがじんじゃ）は、兵庫県朝来市山東町粟鹿に位置する神社です。この神社は式内社であり、但馬国の一宮あるいは二宮とされています。その歴史は非常に古く、跡地や文化財も多く、信仰の場としての重要な役割を果たしてきました。神紋は「抱き茗荷」として知られています。

祭神

現在、粟鹿神社には主祭神として天美佐利命、日子坐王命、日子穂穂手見尊が祀られています。また、配祀神には阿波奈岐尊、伊弉奈岐尊、天照大日孁尊、鵜葺草葺不合尊、月讀尊、素盞嗚尊、豊玉姫尊がいます。これらの神々は地域の信仰の中心となっています。

歴史

粟鹿神社の創建に関しては、『粟鹿大明神元記』に記されており、第11代垂仁天皇の時代に天美佐利命を荒振る神として祀ることが決定されたとされています。この際、大彦速命の曾孫が神部直（かむべのあたい）の姓を賜り、但馬国造に任命されたと伝えられています。

古代には、天平9年（737年）に作成された『但馬国正税帳』において「朝来郡粟鹿神戸」が言及され、当時の神社の経済状況が記されています。中世に入ると、天正年間に豊臣秀吉によって社領が没収されましたが、その後慶長元年（1596年）に社領が与えられました。

近代には、明治維新の後、近代社格制度が設けられ、明治5年（1872年）に郷社、明治12年（1879年）には県社に昇格しています。1999年から2004年にかけて、境内付近の発掘調査が行われ、古代の公的施設や中世の石敷参道が発見されました。

神階

粟鹿神社は、時代を通じて神階が昇叙され、承和12年（845年）には無位から従五位下、貞観10年（868年）には正五位下、さらに貞観16年（874年）には正五位上に昇格しました。これにより、粟鹿神社の重要性が示されています。

境内と文化財

本殿は明治13年（1880年）に造営され、桁行三間・梁間二間の流造様式です。拝殿は本殿に接続しており、桁行四間・梁間三間の構造をしています。本殿の裏には小丘があり、この丘は日子坐王の墓とされています。また、重要文化財として指定されている勅使門や隨身門は歴史的価値を有しています。

境内社には、茗荷神社（草野姫命）、猿田彦神社（猿田彦神）、厳島神社（市杵島姫命）などがあり、合計9社があります。これらの社も含め、地域の人々の信仰を集めています。

祭事

粟鹿神社で行われる主な祭事としては、歳旦祭（1月1日）、節分祭（節分の日）、祈年祭（旧暦2月4日）、秋季例大祭（10月17日）などがあります。特に重要な祭りは、古来より神社の神事として地域の人たちに親しまれています。

アクセス

粟鹿神社は、兵庫県朝来市にあり、交通アクセスも便利です。JR山陰本線の梁瀬駅からは徒歩約30分の距離です。また、バスを利用する場合は和田山駅や神戸からのアクセスがあります。車での訪問も可能で、北近畿豊岡自動車道の山東ICから約5分の距離にあります。

粟鹿神社は、地域の歴史と文化を今に伝える貴重な場所であり、訪れる人々に深い感銘を与えることでしょう。

もう一度検索