木造教会

世界各地の木造教会

木造教会は、その名の通り木材を主要な構造材として建てられた教会堂のことです。ヨーロッパ、特に北欧や東ヨーロッパに多く見られ、ロシアやアジアの一部にも存在します。これらの教会は、地域の文化や歴史を色濃く反映しており、その建築様式や装飾は多様性に富んでいます。また、木造教会の中には世界遺産に登録されているものもあり、歴史的、文化的に重要な価値を持つ建造物として保護されています。

木造教会の分布と主な建築

ここでは、特に古い建築物や、特徴的な木造教会について、地域ごとにご紹介します。

アジア

日本

日本には、明治時代以降に建てられた木造教会が各地に残っています。

軽井沢町
軽井沢ショー記念礼拝堂
軽井沢ユニオンチャーチ（ウィリアム・メレル・ヴォーリズ設計）
日本基督教団軽井沢教会（ウィリアム・メレル・ヴォーリズ設計）
軽井沢聖パウロカトリック教会：アントニン・レーモンド設計の近代木造建築の代表作の一つですが、完全な木造ではありません。
その他市町村
江袋教会（長崎県新上五島町）：日本最古の木造教会とされていましたが、2007年に全焼し、復元されました。
江上天主堂（長崎県五島市）
乙女峠マリア聖堂（島根県津和野町）
カトリック主税町教会（愛知県名古屋市）
豊橋ハリストス正教会（愛知県豊橋市）
日本基督教団大阪住吉教会（大阪府大阪市）
鶴岡カトリック教会天主堂（山形県鶴岡市）
石巻ハリストス正教会（宮城県石巻市）：旧会堂である聖使徒イオアン会堂は、現存する日本最古の木造教会です。
奈良基督[[教会]]（奈良県奈良市）：純和風建築が特徴のユニークな教会です。
日本基督教団千葉教会（千葉県千葉市）
根津教会（東京都文京区）

台湾

嘉義市
台湾基督長老教会嘉義西門教会：嘉義市指定の旧跡で、台湾独特の木造教会です。

ロシア

オネガ湖・キジ島：キジ島の木造建築群は、ロシア各地から移築された教会や風車などが集められています。特に1774年竣工の救世主顕栄教会は、斧一つで作られたとされ、22のタマネギ型屋根を持つ美しい教会です。釘が使われていないことでも有名です。

北欧

フェロー諸島

Strendur
Norðragøta

ノルウェー

ノルウェーには、伝統的な木造建築であるスターヴ教会が多数残っています。代表的なものとして以下の教会が挙げられます。

ウルネスの木造教会
カウパンゲル・スターヴ教会
ホッペルシュタ・スターヴ教会
ボルグンド・スターヴ教会
レインリ・スターヴ教会
ヘッダール・スターヴ教会
ゴル・スターヴ教会
ファントフト・スターヴ教会

フィンランド

ペタヤヴェシの古い教会

イングランド

イングランド

Greensted Church：現存する世界最古の木造教会とされ、その歴史は9世紀にまで遡ります。ただし、現在では改築により大部分が石造となっています。
St Michael and All Angels Church, Altcar
St Paul's Church, Boughton
St Catherine-by-the-Sea, Holworth
St James' and St Paul's Church, Marton
St Lawrence's Church, Denton

アメリカ

アメリカ

Church of the Holy Family (Cahokia Heights, Illinois)
Cumberland Presbyterian Church (Clarendon, Arkansas)
Christian Church of Gilroy
Salem Baptist Church (Kentucky)
Shiloh Meeting House and Cemetery
St. James Episcopal Church (Grosse Ile, Michigan)
St. Severin's Old Log Church
Old Pine Church

フランス

フランス

Église Sainte Catherine, オンフルール：フランスで最古かつ最大の木造教会です。

ドイツ

ドイツ

クラウスタール＝ツェラーフェルト
ファレル

チェコ

チェコ

カルパチア山脈（大ハンガリーの外輪部）一帯に木造教会が分布しています。

ウクライナ

ウクライナ

カルパチア山脈寄りの地方とカルパート・ウクライナに、木造教会が見られます。
ドロホビチ：巨大な教会は、シュテットル（ユダヤ人居住区）と共に観光地となっています。

ポーランド

ポーランド

ポーランドには多くの木造教会が残っており、特に以下の地域で多く見られます。

ポトカルパチェ県
東端
ホシュフ・ギリシア正教教会
ルヴニャ
ラベ
ビストレ
チャルナ・グルナ
ミフニョヴェツ
ルトヴィスカ か スモルニク
中部・西端
シチャヴネ
トゥジャニスク
ジェペチ
コタン
シフョントコヴァ・ヴィェルカ
マウォポルスカ県
東部
ビナロヴァ
シンバルク
センコヴァ
ポラニ
ベレスト
モフナチュカ・ニジュナ
ウォムニツカ・ズドルイ
ティリチ
ポヴロジニク
アンジェユフカ か ジェギェストゥフ
西部
ラプカ・ズドルイ
ウォプシュナ
デンブノ
トリプシュ
シロンスク県
シチルク
マリンカ
ドルヌィ・シロンスク県
ヤヴォルとシフィドニツァの平和教会群

スロバキア

スロバキア

スロバキアにも、カルパティア山脈地域に多くの木造教会があります。

プレショフ県（旧ゼンプレーン県北部）
東端
ウリチスケー・クリヴェー
ルスキー・ポトク（オロスパタク）
トポリャ
カルナー・ロストカ
フラボヴァー・ロストカ
ルスカー・ビストラー（コシツェ県）
イノフツェ（コシツェ県）
北部
ボドルジャル
プリクラ
ヴィシュニー・コマールニク
クライナー・ポリャナ
ドブロスラヴァ
ラドミロヴァー
シェメトコヴィツェ
ポトキ
コジャニ
トロチャニ
ヘルヴァルトフ
クリヴェー
イェドリンカ
フリチュカ
中部
ブレジャニ（プレショフ近郊）
フラニツニェ（ポーランド国境）
タトランスカー・ロムニツァ（スタリー・スモコヴェツ近郊）
ヴェリキー・スラフコフ（ポプラト近郊）
ジリナ県（旧リプトー県、旧アールヴァ県、旧トゥローツ県、旧トレンチェーン県北部）
ラジスコ（リプトフスキー・ミクラーシュ近郊）
イスチェブネー（ドルニー・クビーン近郊）
レシチニ か マラチナー（ドルニー・クビーン近郊）
トヴルドシーン か ブレゾヴィツァ

ルーマニア

ルーマニア

ルーマニアでは、木造建築が伝統的な建築様式として広く用いられてきました。

マラムレシュの木造聖堂群
モルダヴィア
モルダヴィツァ修道院

チリ

チリ

チロエの教会群

木造教会の歴史

ヨーロッパでは、もともと木材が豊富であったため、木造建築が主流でした。しかし、次第に石造建築へと移行していきました。木造教会は、その地域の歴史や文化を反映した貴重な遺産として、今もなお大切に保護されています。

関連項目

木構造（木造建築）
木骨造
ハーフティンバー様式

外部リンク

Wooden Churches of Europe
The Wooden Churches of Eastern Europe
リプトフ地方の写真

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