末田

末田（すえだ）

さいたま市岩槻区に属する大字の一つで、郵便番号は339-0021です。この地域は、岩槻区の南部、沖積平野に位置し、南北に細長い形状をしています。東側は越谷市と接しています。

地理

末田地区の北側には元荒川が流れ、自然に形成された堤防がその地形を特徴づけています。また、地域の中心部には末田用水が流れ、古くからこの地域の農業用水として重要な役割を果たしてきました。現代においては、鉄道駅は地区内にありませんが、西へ約2キロメートル離れた場所に埼玉高速鉄道線の浦和美園駅があり、比較的近距離に位置しています。

歴史

末田という地名は古く、室町時代にはすでに騎西郡の一部として存在が確認できます。江戸時代に入ると、埼玉郡岩槻領に属する末田村として定着しました。初期は幕府の直轄領でしたが、後に岩槻藩の領地となりました。寛永6年には検地が行われ、村域が確定しています。また、周辺に開発された持添新田もこの村の一部として管理されていました。

近代に入ると、行政区画の大きな変遷を経験します。明治4年（1871年）の廃藩置県により岩槻県の管轄となり、同年11月の第1次府県統合で埼玉県の管轄に移りました。明治12年（1879年）3月には郡区町村編制法に基づき南埼玉郡に属することになり、郡役所は岩槻町に設置されました。

明治22年（1889年）4月1日には町村制が施行され、尾ヶ崎、釣上、野島方、孫十郎、高曽根、末田、尾ヶ崎新田、釣上新田といった周辺の6つの村と2つの新田が合併し、新たに新和村が誕生しました。これにより、末田は新和村の大字の一つとなりました。昭和25年には、大字末田の一部が荻島村へ編入される区域変更がありました。

昭和29年（1954年）5月3日には、新和村が岩槻町、川通村、和土村、柏崎村、河合村、慈恩寺村と広域合併し、岩槻町の一部となります。さらに同年7月1日、岩槻町が市制を施行して岩槻市となったことで、末田は岩槻市の大字となりました。そして平成17年（2005年）4月1日、岩槻市がさいたま市と合併したことにより、現在のようにさいたま市岩槻区の大字「末田」となりました。

交通

地域内に鉄道路線はありませんが、西へ約2キロメートルの距離に埼玉高速鉄道の浦和美園駅があります。地区内を通過する主要な道路としては、埼玉県道48号越谷岩槻線と埼玉県道214号新方須賀さいたま線が挙げられます。

施設

末田地区およびその周辺には、いくつかの施設が存在します。かつて昭和20年には、当地区に越谷陸軍飛行場が開設されていました。現在では、広大な敷地を持つしらこばと水上公園の一部が地区内に含まれています。また、地震活動を観測する岩槻地殻活動監視施設や、治水に関わる末田須賀堰も設置されています。

信仰の場としては、真言宗豊山派の円満院や金剛院、浄土宗の浄音寺、そして地域の鎮守様である鷲宮神社があります。鷲宮神社にはこども広場も併設されています。このほか、地域住民の集会施設として人巻集会所や仲組公民館が利用されています。

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