本多利友

本多利友は、清川忌寸を祖とする野条氏の出身で、本多忠政の烏帽子子となり本多氏を名乗りました。父は徳川家康に仕え200石を領していましたが、利友自身も家康に仕え、慶長17年（1612年）からは徳川秀忠に近侍する小姓組となりました。

大坂の陣では、冬の陣、夏の陣ともに従軍し、特に慶長20年（1615年）の夏の陣、天王寺の戦いにおいては、敵の首級を2つあげるという戦功を立てました。この功績により、下総国猿島郡において300石を与えられ、旗本として取り立てられることとなります。

寛永11年（1634年）、徳川家光が上洛する際、利友は駿府城に入り、石垣の普請奉行を務めました。しかし、同年、配下の一部が交代を訴えたことが原因で改易処分となり、仙台にて蟄居することとなりました。当時の武士にとって、改易は非常に重い処分であり、その後の生活に大きな影響を与えました。

慶安4年（1651年）、利友は赦免され、300俵を賜りました。その後は大番、小普請といった役職を歴任し、幕府に仕え続けました。改易という苦難を乗り越え、再び幕府に貢献したことは、利友の忠義心と能力を示すものと言えるでしょう。

利友の子孫は、弓道の流派である本多流の宗家となっています。本多流は、江戸時代に成立し、現在も多くの門弟を抱える弓道の流派です。武将としての一面だけでなく、文化的な側面においても子孫が名を残していることは、本多利友の人物像をより深く理解する上で重要な要素となります。

参考文献

「寛政重修諸家譜」巻第1194

関連項目

本多流 - 弓道の流派。子孫が宗家となっている。

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