本多利長

本多利長

本多利長（ほんだ としなが）は、江戸時代前期に生きた大名です。三河国岡崎藩の第4代藩主、遠江国横須賀藩主、そして出羽国村山藩の初代藩主を務めました。官位は従五位下・越前守。広孝系本多家4代に当たります。

生涯

利長は、岡崎藩の第3代藩主・本多忠利の六男として生まれました。正保2年（1645年）、父の死去に伴い家督を相続し、岡崎藩6万石のうち5万石を継承。残りの1万石は、兄の本多助久と弟の本多利朗に分与されました。同年6月27日には、遠江横須賀へ移封されます。

しかし、天和2年（1682年）2月23日、利長は不行跡と過酷な藩政を理由に改易されてしまいます。一説には、本多政利の改易に連座したとも言われています。その後、改めて出羽国村山郡内に1万石を与えられ、村山藩主として再出発することになりました。

『土芥寇讎記』には、村山移封後の利長について、「昔の統治は悪かったが、今は良い」「領地召し上げ（村山移封）のあと行状が良くなった」と記されています。これは、改易という経験を経て、利長が領主として成長したことを示唆していると考えられます。

元禄5年（1692年）12月16日、利長は58歳で死去しました。跡は、甥で養嗣子の本多助芳（本多助久の次男）が継ぎました。

系譜

父：本多忠利
母：井上正就の娘
正室：松平正綱の娘
継室：板倉重宗の長女
養子：本多助芳（本多助久の次男）

参考資料

第二百二十九 本多越前守利長家之覺書 - 『改定史籍集覧』第16冊（近藤出版部、1906年）

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