本多康禎

本多康禎：近江膳所藩を支えた幕末の藩主

本多康禎（ほんだ やすつぐ）は、文化年間に生まれ、江戸時代後期に近江膳所藩の第12代藩主を務めた人物です。彼は、激動の時代において藩政を担い、幕府の要職である奏者番も務めました。

生涯

康禎は、7代藩主本多康桓の嫡子である本多忠薫の三男として生まれました。しかし、兄である先代藩主・本多康完が亡くなったため、その跡を継いで藩主となります。藩主就任後、将軍徳川家斉に拝謁し、従五位下下総守に叙任されました。その後、兵部大輔に改めます。

文化14年（1817年）には奏者番に就任し、幕府の命令で近江国栗太郡の検地を担当しました。天保8年（1837年）に大塩平八郎の乱が勃発すると、藩兵を摂津・丹波へ派遣し、治安維持に貢献しました。天保7年（1836年）には従四位下に昇進しています。弘化4年（1847年）に奏者番を辞任し、長男の康融に家督を譲って隠居しました。翌年、62歳で生涯を閉じました。

藩主としての功績

康禎は、藩主として藩政の安定に尽力しました。奏者番として幕府との関係を円滑に保ちながら、領内の検地を実施し、藩の財政基盤を強化しました。また、大塩平八郎の乱鎮圧への協力は、幕府からの信頼を得る上で重要な役割を果たしました。

系譜

実父は本多忠薫、養父は本多康完です。正室は島津斉宣の娘である操姫を迎えました。子女には、長男で後を継いだ本多康融、次男の朽木綱張、三男の谷衛弼、六男の本多康穣、七男の植村家保がいます。康融と康穣の生母は操姫です。

本多康禎は、激動の幕末期に膳所藩の舵取りを担い、藩の存続と安定に貢献した藩主として、歴史に名を残しています。

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