本庄栄治郎

本庄栄治郎の生涯と業績

本庄栄治郎（ほんじょう えいじろう）は、1888年2月28日に京都の西陣で誕生し、1973年11月18日にはこの世を去るまで、日本の経済学の発展に大きく寄与した経済学者です。彼は、日本経済史や経済思想史を専門とし、その研究によって多くの後進を育成したことで知られています。特に、昭和期における日本経済史の権威として、多くの学者たちを輩出しました。

学歴と初期の研究

彼は第三高等学校を卒業した後、1913年に京都帝国大学法科大学政治学科を修了しました。在学中には、特に家業であった西陣機業についての研究に取り組み、戸田海市や内田銀蔵から指導を受けました。彼の研究は、1914年に発表した『西陣研究』や1916年の『江戸幕府ノ米価調節』に結実し、これにより彼は早くから研究者としての名を知られるようになりました。

大学でのキャリア

本庄は京都帝国大学において、1916年に法科大学講師に就任し、1918年には助教授に昇進、その後1919年に経済学部助教授、1923年に教授となります。彼は1931年に「徳川幕府の米価調節」に関する研究で経済学博士号を取得し、その後20年以上にわたり経済史講座を担当しました。江戸期を中心に、米価、常平倉、農村、人口、流通、交通といったテーマに関する大規模な実証研究を行い、数多くの著作を発表しました。

経済史研究所の設立

1933年には、日本経済史研究所の設立に関与し、代表理事にも就任しました。彼の尽力により、この研究所は経済史研究の重要な拠点となり、後進の学者たちを育成する場ともなりました。また、彼の門下生の中には、後に政治家となった菅野和太郎や多くの経済学者がいます。

教育と名誉

1942年には京都帝国大学を退官した後、大阪商科大学の第2代学長に就任し、その後も上智大学や大阪府立大学、龍谷大学で教鞭を執りました。彼は教育者としても非常に評価が高く、1948年には日本学士院の会員に選ばれ、1965年には文化功労者として認定されました。

後の業績と栄典

本庄は、大阪市の歴史に関する編纂や監修にも携わり、1955年には皇居での講書始の儀において講演を行いました。栄典としては、1941年に勲二等瑞宝章、1973年には勲一等瑞宝章が授与され、同年には従三位に叙せられました。

著作

本庄は数多くの著作も残しており、特に『日本経済史文献』や『日本経済史辞典』などが注目されています。彼の著作や研究は、日本の経済史を理解する上で重要な資料となっており、今日でも多くの経済学者や学生に影響を与えています。

まとめ

本庄栄治郎は、その広範な業績と教育活動を通じて、日本の経済学界に多大な影響を与えた人物です。彼の研究は、今後の世代における日本経済史の発展にとって、重要な基盤となることでしょう。

もう一度検索