本田町

本田町の歴史

本田町は、かつて東京府南葛飾郡に存在した町です。現在の葛飾区の西部に位置し、その歴史は明治時代にまで遡ります。

1889年（明治22年）5月1日、町村制の施行に伴い、周辺の宝木塚村、梅田村、中原村、淡野須村、立石村、原村の全域と、若宮村、渋江村、四ッ木村、篠原村、川端村の一部が合併し、立石村が発足しました。この合併は、その後の本田町の形成における最初の重要なステップでした。

1890年（明治23年）5月10日、立石村は本田村に改称しました。この改称は、地域が新たな名称で再出発することを意味しました。

1914年（大正3年）4月1日、荒川放水路の設置に伴い、大木村の一部が本田村に編入されました。この編入は、河川の改修が地域に影響を与えたことを示しています。

1928年（昭和3年）3月1日、本田村は町制を施行し、本田町となりました。この町制施行は、地域が行政単位として新たな段階に入ったことを示しています。

1932年（昭和7年）10月1日、南葛飾郡全域が東京市に編入され、本田町の区域は葛飾区となりました。これにより、本田町は東京市の一部として、新たな歴史を歩み始めました。

本田町の地域と名称

『本田』という名称は、江戸時代の西葛西領 本田筋に由来しています。しかし、昭和40年代に行われた住居表示への変更に伴い、この地域名は徐々に使われなくなってきています。現在では、本田町役場跡に建てられた葛飾区立立石図書館の他、葛飾区立本田小学校、本田消防署、葛飾区立本田中学校など、一部の施設名にその名残をとどめています。また、葛飾警察署も2002年までは本田警察署と称していました。

本田町の交通

本田町には、京成電鉄の押上線（四ツ木駅、京成立石駅、青砥駅）と京成本線（お花茶屋駅、青砥駅）が通っていました。青砥駅の由来となった地名「青戸」は、亀青村に存在します。

道路としては、立石道、古上水道（四ツ木街道）が重要な役割を果たしていました。立石道は、東武伊勢崎線鐘ヶ淵駅付近から京成小岩駅付近までを貫通する直線状の道路で、古代道路の名残とされています。古上水道（四ツ木街道）は、曳舟川に沿う曳舟道で、お花茶屋駅付近から四ツ木までほぼ直線状に通過していました。なお、国道6号は当時、開通していませんでした。

本田町の教育

本田町には、本田町立本田尋常高等小学校（現在の葛飾区立本田小学校）と、本田町立本田第二尋常小学校（のちの葛飾区立四ツ木小学校、現在の葛飾区立よつぎ小学校）がありました。本田町立本田尋常高等小学校には、実業補習学校と青年訓練所が併設されていました。

本田町の現在

現在の地名としては、立石、東立石、宝町、四つ木、東四つ木、青戸一丁目、三丁目、堀切一丁目、二丁目、三丁目が、本田町の範囲に含まれています（いずれも大体の範囲）。

1932年10月1日に東京府南葛飾郡本田町が廃止され、葛飾区に編入された際、旧・本田町の一部、大字「本丁」地域の名称が葛飾区本田町となりました。しかし、1966年に住居表示が実施されたことに伴い、葛飾区本田町は廃止されました。現在の地名でいうと、立石三丁目と立石二丁目の大部分、および立石一丁目、四丁目、四つ木一・二・四・五丁目、東四つ木四丁目の一部が、その範囲に相当します。

関連情報

本田町誌、南葛飾郡本田町現状調査、東京市葛飾区の誕生に関する資料、東京都の廃止市[[町村]]一覧、葛飾区の町名、本田ウリなどが、本田町に関する情報を得るための手がかりとなります。

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